「豊岡・日高町の北村わさび」
2010/5/21
ことの始まりはなんだったのかしら・・・と兵庫県の食材に興味を持つようになったきっかけを振り返ります。シルバーカレッジの食文化コースに教えに行くようになって15年。最終学年の3年生がグループ学習のテーマとして取り上げる兵庫県や神戸市の地元の食材に触れるようになったのが入り口だったのか、いつしか地元のものを食べて地元の味を伝え、食材が売れることで地元の若い生産者がその地で子供を育て心豊かなくらしが築けたら・・・なんてことを考えたりするようになっていました。
その後、阪急阪神百貨店の西宮阪急のオープンにあたり地産地消コーナーのプロデュースをすることになって、兵庫のすばらしい食材にいっぱい出会い、身近なものとして地元の食材への思いはさらに深まりました。そして4月から始まったのが、県下の隠れた名食材を紹介する「うまいもんライブラリー」。本は来年の春出版予定ですが、まずは神戸新聞で第2・第4水曜日の朝刊の連載から。神戸新聞編集委員辻本一好さんによる第一回目の記事はこう結ばれています。『兵庫には日本で最も多彩な風土で磨かれてきた”うまいもん”が多数ある。古里の個性を教えてくれる貴重な地域資源である知られざる各地の素材とそれを育む自然と人の魅力を料理研究家の白井操さんとともに伝えていきます。』と。
一回目のテーマは豊岡・日高町の北村わさび。300年の歴史を受け継ぎ、ひたむきにわさび田を守る青年に感動しました。私も何本か買って帰り、そのおいしさを再確認。茎に近いところはマイルドで辛味もほどよく香りも高いことや、わさびを1本買ったら、丸ごとすって混ぜ、小分けしてラップに包みジッパーつき保存袋に入れておくと便利ですという記事にわさびを使った料理の作り方と写真を添えました。なにしろ兵庫県は広い!取材は一日がかりです。収穫日と私のスケジュールが合わない時には、取材に行けなくて電話でお話を伺うこともあるのですが、出来るだけ現地取材に参加しようと思います。兵庫の食文化のすばらしさが多くの人に伝わることを願っています。