白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

小田垣商店 小田垣博三社長をお招きして

2010/11/12 

176nishi-garden今回は丹波篠山の小田垣商店、小田垣博三社長をゲストにお招きしました。小田垣商店が扱うのは全国の高級料亭や一流菓子舗がこぞって指名買いする最高品質の黒大豆。「もともとは種屋でした」と小田垣社長。歴史をひも解けば、明治初期、農家に黒豆の種を配り、栽培方法を伝授し、収穫された黒豆をすべて買い取るという独自の仕組みを作られたことにさかのぼります。全てはおいしい黒豆を地元で広めたいとの思いから。
「今年の出来はどうですか」と白井の問いかけに「夏が暑すぎるのは受粉には悪条件、残念ながら例年ほどではありません。」と小田垣社長。「近頃は若さや(黒豆の枝豆)もおいしいと人気ですね。若さやで出荷しすぎて、肝心の黒豆が品薄になることはないのですか」と心配する白井。「若さやは野菜、黒豆は穀物、もともと分類が違います。最初からどちらで収穫するか決めて作付けしていますから大丈夫ですよ。」と笑顔で。 受粉後、米は70日、大豆は60日で収穫できるのに対し、100日と長い時間がかかる黒大豆。支柱を立て、土寄せをし、大切に栽培されます。たっぷり栄養を蓄えた黒豆には秘めたる強さも。かつて15年間置いたままにしていた黒豆を水を換えながら戻すと3日後には、まん丸からもとの豆の形に戻り、普通に煮て食べられたそうです。「紫花豆のように大きな豆は2日ぐらいかけて水で戻し、水を代えながら気長に付き合う気持ちで弱火でじっくり炊いていくと構えず楽しめます。黄大豆は戻した水で炊くのがおいしいですね。豆はもともとは種。生で食べるとお腹を壊すものがほとんどです。種の保存のために本当は食べられたくないのかも。だからゆがいたり、煮たりのひと手間をかけて。」と白井。
今回の試食は焼きたてパンに黒豆のディップとメダイのお刺身をのせ、酢を入れてさっとゆがいた食用菊を秋らしくあしらったカナッペ、西宮阪急でも取扱いのある小田垣商店の錦白大豆を使った大豆ごはんに、お歳暮ギフト青カタログの「丹波煮豆詰め合わせ」より、紫花豆煮、丹波大納言小豆煮、黒豆煮を添えて・・・。「ウチは買ってくださる人、売ってくださる人と同じぐらい作ってくださる方も大事だと考えています。これからも地域の人に必要とされる存在でありたいですね。」セミナーは小田垣社長の誠実な思いで締めくくられました。

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