白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

神戸 玄斎 上野直哉さんをお招きして

2010/12/10 

180nishi-garden今年最後のセミナー、トリを飾るのは神戸にある玄斎のご主人上野直哉さん。白井とは15~16年のお付き合いになります。京都の菊乃井さんで長い間修行をし、師匠の村田さんから「私の料理の後を継ぐのはあいつです」と言われている方。お父様は伝統野菜の普及でも有名な料理人上野修三さんです。「18から修行させていただいた村田さんは親代わりのような存在です。父はなにわ野菜の復活にも力を入れてきました。」8年前お兄様に喜川を譲り、引退後はその活動に専念しておられます。
上野さんは6年前、神戸に玄斎をOPEN。「その前に三宮の料理屋さんで店長さんをされていましたが、直さんの味を食べたくてお店が大繁盛でした。」と白井。「神戸が好きで神戸に店を出したかったのでまず土地勘を知りたくて。周りに迷惑にならないよう一般の求人誌で神戸の真ん中で新店OPENされるところを探して、勉強しました。」
今回は「むかごめし」と「かぶらのふろふき」の二品を実演・試食。「天然物は今が旬のむかご。山芋のつるに付いています。アクを抜くためにフライパンで炒ってから炊飯器へ。油で素揚げしてもコクがでます。干しえびは皮のないものを前の晩から水につけておきます。干しえびと戻し汁、だし昆布を入れて白めしと同量の水加減で炊き上げます。」と上野さん。アクシデントで遅れ、到着と同時にセミナースタートだったのですが、上野さんは始終笑顔で穏やかな口調。白井の付けていたサンタさんの顔のイヤリングを指して、「先生えらいことなってますねぇ。」と笑いながらつっこむ場面も。 ミシュランでは師匠の3つ星に続きご自身も2つ星を獲得されました。「2回審査に来られたといわれましたが一度も気づきませんでした。それがショックですね。お客様の顔を覚えてなかった訳ですから。」と謙虚に。上野さんの持つなんともいえない柔らかい空気も、きっと審査員の心に留まったのかも知れません。一緒にいるだけで心が和む、そんな上野さんのお人柄が料理からもじんわりと伝わり、しばし師走を忘れる心地よい時間を過ごさせていただきました。

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