白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

第35話 タンポポの花びらは何枚?

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春爛漫のこの季節、街中でもあちこちに黄色いタンポポの花が見られるよね。ところで、このタンポポだけど、花びらは何枚あるか知ってるかい?
えっ、100枚くらいかなって? いやいや、じゃあ、今日はまず正解を教えようか。
タンポポの花びらは5枚が正解! どの種類のタンポポでも、どの花を取ってきても5枚だぞ。それじゃあ、謎解きといきますか。タンポポの花をよ~く見てご覧。一見、沢山の花びらが集まっているように見えるよね。これに騙されていけないぞ。この一輪の様に見えるタンポポの花は、実は沢山の小さな花の集まりなんだ(このような花の形状をしたものを頭状花(とうじょうか)というぞ)。一枚の花びらのように見えるのが一つの花で、その証拠に、花を分解してみると、一枚の花びらに見える物の付け根の方には、必ず一つの子房(のちに種になる部分だよ)という部分があるのがわかるよね。さらに、花びらに見える物の先っぽをよく観察すると、5つの尖りがあるのがわかるかい。そう、そのとおり! 実は5枚の花びらが融合して一枚の花びらのようになっているんだよ。その名残が、先っぽの5つの尖りなんだ。だから花びらは5枚ってことさ。
タンポポは花が咲いた後に綿毛ができるのは知っているよね。息を吹きかけると大空に向かって飛んでいく一つ一つの綿毛は、根元の方に必ず重りが一つ付いているよね。これが種なんだよ(正確には果実だけどね)。ということで、一つの花としての十分な機能を備えているのがわかったかな。
さて、タンポポは分類上はキク科に属しているんだけど、このキク科の共通の特徴は、さっき説明した頭状花(とうじょうか)、すなわち小さな花が沢山集まって一つの花のように見せていることなんだ。この頭状花の中にある一つ一つの小さい花には、タンポポの様に5枚の花びらが融合して大きな一枚の花びらの様に見せている舌状花(ぜつじょうか)と、花びらが小さく退化してしまって目立たない筒状花(つつじょうか)の2種類があるんだぞ。タンポポは舌状花ばかりでできていて。ヒマワリやマーガレットなどは外側の花が舌状花で内側の黄色い部分が筒状花なんだ。また、アザミの花は全てが筒状花でできているんだぞ。
じゃあ、キク科の花はどうしてこのような形になったのかって? それは、花粉を媒介してくれる蝶や蜂を呼び寄せるために、小さい花たちが役割を分担して、目立った大きな花びらで昆虫たちを呼び寄せて、一度に沢山の花のめしべに花粉を付けてもらおうとしてるのさ。 さぁ、みんなもタンポポの花をしっかりと観察してご覧!!
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