「流通が進歩すると・・・」
2015/4/20
毎日の暮らしの中でちょっと気になったあれこれについて、若い人はどんな風に感じているの?大人の思いと若者の気持ちは違うの?そんな白井の小さな疑問に答えてくださる若者代表は森本達平さん。桂南光さんの次男さんで「イマドキの若者も捨てたもんじゃない」と白井をうならせる感性の持ち主です。
(前回に続き)
操「ほう、最近は日本にいて手に入らない食材って少なくなったのにね」
達平「そうなんです、そこで思うこともあって・・・」
操「なになに?」
達平「そのおかげで外国に行かなくても、現地で腕を認められたシェフが現地の食材を使って本場のおいしさを日本のレストランで提供してくれるようになって、それを食べられるようになりましたよね」
操「ほんとに流通の進歩ってすごいなってつくづく思うわ。」
達平「そうやってフランス料理、イタリア料理、中華料理っていうようにカテゴライズされ本物の味が競いあう中で、他の国の料理に負けないように、日本料理もまたその技が磨かれていくんじゃないかと思っているんです。今よりは狭く深く・・・という感じかも知れませんけど。」
操「ふ~ん、なるほど。」
達平「操さんは消えゆく和の食材のこと心配されていましたよね。でも和食のおいしさのために絶対に必要な食材なら、なくならないと思いますし、消えてしまったら思考錯誤して代わりの食材を探すと思うんです。」
操「流通の進歩がそこでも役立つかも。」
達平「そうです。昭和から平成にかけて消えゆく食材は確かにありますが、江戸から明治にもそんな食材がなかったとは言えない。その時にも料理人は工夫したと思うんです。で、新しいものを試したりもしたと。」
操「なんだか希望が湧いてきた」
達平「本物を大切にする気持ちは、そこに生きていると思うんです。」