白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

第55話 チューリップの基礎知識(その1)

4月の花と言えば誰しもが思い浮かべるのは桜だけど、春本番の花となるとやっぱりチューリップだろう? 子供たちにも馴染みが深く、みんなに人気のある春の花チューリップ。 じゃあ、みんなはチューリップのことをどれくらい知っているんだい?
では、ちょっとチューリップのクイズを出してみようか。
チューリップの基礎知識(その1)④

第1問チューリップのふるさとはどこ?
第2問チューリップの球根は根っこ、葉っぱ、それとも茎?
第3問チューリップの花はどうして春に咲くの?
第4問チューリップの花の花びらは何枚?
第5問チューリップの花は曇りの日はどうして開かないの?

さあ、分かったかな?  えっ、なんだ、簡単じゃないかって!? ホントに正解してるかい? じゃあ、一問ずつ解説していこうか。

第1問の正解。野生のチューリップは、西はポルトガルから北アフリカ、ギリシャ、トルコ、中東、ウクライナ、中央アジアを経て、東はモンゴル、中国北東部まで、非常に広範囲に及び、150種程度の野生種があるんだぞ。誰だい、オランダって回答したのは? 残念ながら、オランダには野生種は生えてないんだよ。でも、16世紀にトルコからヨーロッパに紹介されたチューリップは、オランダを中心として非常に人気を博し、今やオランダはチューリップ球根の生産量が世界一だね。だからオランダを第二のふるさとって呼んでもいいかもね。
チューリップの基礎知識(その1)③チューリップの基礎知識(その1)②

第2問の正解。チューリップの球根は鱗茎と言って、タマネギやニンニクと同じように葉っぱの付け根が肥大して養分や水分を蓄えるようになったものなんだ。だから、輪切りにすれば、タマネギほどじゃないけど、幾層にもなっているのが分かるよ。ちなみに、球根というのは葉っぱからできた鱗茎、根っこからできた塊根、茎からできた球茎、塊茎、根茎の5種類があるんだよ。

第3問の正解。チューリップのふるさとは、すごく広いんだけど、その地域の気候は、地中海性気候からステップ気候と言って、冬に雨や雪が降り、夏は高温で乾燥する地域なんだ。夏の間は高温と乾燥に耐えるため、地中深くで球根となってお休みし、来るべき秋を待っているのさ。だから、春に花が咲いたあと、初夏には葉が枯れて球根だけになり、その後にやってくる高温と乾燥、そして秋に芽吹いた後に一定期間の低温に合わないと、花が咲かない仕組みになっているんだよ。だから、秋に球根を買ってきて、そのまま暖かい温室で育てていると寒さに出会わないから、いつまで経っても春が来たとは思わなくて、花が咲かないわけさ。どうだい、なかなか巧くできているだろう?
この性質を巧く利用すれば、一年中花を咲かせることができるんだぞ。球根を夏の高温に会わせたあと、ポットに植え付けて0℃以下の低温で長期間貯蔵するんだよ。そうして花を咲かせたい時期の1~2ヶ月前に、暖かい環境に戻してやると、それからすくすくと大きくなって、花を咲かせるんだよ。オランダなど夏がそれほど暑くない地域では、真夏にだって切り花が流通しているんだ。日本でも、真夏に花を咲かせることはできるんだけど、高温で花持ちが悪いから、流通していないだけさ!
チューリップの基礎知識(その1)①

さて、今回はここでおしまい。第3問以降は次回のお楽しみに・・・・・

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