2015.11.11 兵庫県農政環境部 部長 新岡史朗さん
2015/11/18
今日は兵庫県の『食』、肉・野菜・魚の農政の一番偉い方がゲストです。兵庫県の素敵を改めて教えて下さい。」と始まったセミナー。
「兵庫県の魅力を一言で言うと『多彩』ですね」と答えられたのは県農政環境部長の新岡史朗さん。南北に海を、中央には山地を持つ兵庫県。丹波の平均気温は東北と同じくらい。気候風土が多彩で、色々な農水産物が地元産として食べられる豊かな土地柄。逆に大産地がないことが弱みと言われます。
「兵庫県では、農家の方々に農業の技術を伝える農業改良普及指導員が、生産だけでなく、加工、流通、販売といった消費者に届くまでを見据えてサポートしています。また、水田がなければ野菜栽培の水が確保できません。稲藁がないと美味しい牛肉も育たないんです。質の高い兵庫の農畜産物は、地域農業全体を大切にしないと守れないもの。高齢化による生産量の減少などの問題もあります。」と新岡部長。
「消費者である私たちもそのことを意識して、地元のものを食べて支えるしくみを今のうちに早く作っておくことが大切なんですね。」と白井もうなずく。
試食は「牛肉と春菊」。「根元から葉がついている関西の春菊。傷みやすいのですがこれほど香りのある野菜はないと思います。牛肉との相性がいいんですね。牛肉を炒めたあとのフライパンで生のままの春菊をササッと炒め、バターと醤油で仕上げます。今日は大量調理なので肉を炒めたあと、肉を取り出し、醤油・酒・みりん・バターを入れマリネに。ゆがいた春菊を残り汁と合わせて」と白井からレシピを紹介。葉物は阪神間近郊での栽培が盛ん。西宮阪急でも尼崎の農家「阪神こだわり野菜の会」から届く新鮮な野菜が大人気。
新岡部長からは多彩な兵庫県の産物紹介。「神戸ビーフに代表される牛肉、玉ねぎ、酒米、日本酒、黒豆や黒枝豆なども有名です。あとお知らせしたいのが水産物。ずわいがに、ほたるいか、ハタハタなどは兵庫の水揚量が日本一なんです。」「へぇ~。果物はないの?」「今頑張っているのがイチジク。西日本一をめざして川西・神戸に加え、姫路・淡路でも生産を広げています。」「太秋柿はよく使います。シャキシャキとして甘いので白和えに少し、ぎんなんと一緒に入れるといかにも秋!でもたくさんは出回らないですね」と白井。「都市部の方にどこでも買っていただける、それほどの収穫量がないものも多いんです。生産地に出向いて買ったり味わったり楽しんでいただければ」と新岡部長。「丹波のごぼうは生だとびっくりするほど固いのにゆでると本当に柔らかでおいしい。粘りの強い山の芋はすり下ろした塊をハサミで切ると適量の取り分けが簡単。さっき鮮魚売り場に由良産の大きな太刀魚もありました。地元のおいしいものをじっくり楽しむ休日も素敵ですね。」
神戸ビーフは先のイタリアミラノの食博覧会でも大好評。県では世界へ向けて兵庫の味のPRも行っておられるそう。「兵庫県産で安全、個性・特徴がある『兵庫県認証食品』。見かけたらぜひ手に取ってください」と認証マークの紹介も。
地元の食材の豊かさは兵庫に住まう大きな幸せ。身近なおいしいものを大切に食べていきたいと心願うひとときでした。 (文:土田)