冬の蝋細工
この冬は異常に暖かく、神戸市立森林植物園では、ロウバイが12月中旬頃から咲き始め、年明けの1月5日にはほぼ満開になったと、新聞報道ががあったんだよ。冬に咲く花木の代表と言えば、やっぱりロウバイだね。輝くような黄色い花びらに馥郁と漂う高貴な香り、真冬の庭に咲くロウバイは最高!!
さて、ロウバイは中国原産の花木で、カラウメ(唐梅)とも呼ばれるんだけど、元々中国で使われていた蝋梅という漢字を音読みしたようなんだ。半透明で鈍い艶の花びらが蝋細工のようなので、この名前が付けられたようなんだけど、旧暦の12月(臘月)に梅に似た香りの花を咲かせることからも頷けるよね。
基本種であるロウバイの花
みんながよく知ってるロウバイの花は、たぶん丸っこくて花びらが全部黄色い花を咲かせるソシンロウバイやマンゲツロウバイだろうね。基本種のロウバイの花は、花びらがやや細くて、外側の花びらが鈍い黄色で、内側の花びらが茶色っぽい花なんだ。でも、本来のこのロウバイより、花色が鮮やかで大きいソシンロウバイやマンゲツロウバイが良く植えられているから、これをロウバイだと思っている人が多いんだろうね。
花びらが黄色一色のソシンロウバイ
ソシンロウバイのソシンとは、漢字で書くと「素心」で、通常複数の色がある花が単色であることを意味する園芸用語で、東洋蘭の綺麗な濁りのない緑一色の花色などによく使われるんだ。
マンゲツロウバイとは花の形が丸っこくてまっ黄色なので、それを満月に見立てて付けられた名前なんだよ。
マンゲツロウバイ
丸っこい花のマンゲツロウバイ
また、あまり知られていないようなんだけど、ロウバイの種子にはカリカンチンと呼ばれる強い毒性を示すアルカロイドを含んでいて、食べるとストリキニーネ様の作用、すなわち硬直性の痙攣を起こすようだから注意するんだぞ!でも、蕾は「蝋梅花」と呼ばれる生薬で、開花前の蕾を乾燥して鎮咳、解熱、鎮痛に使われるんだ。でも、決して自分で生薬を作ろうなんて考えないようにな! 命の保証はできないぞ!!