アカシアとニセアカシア
♬アカシアの雨に打たれて、このまま死んでしまいたい♬
この歌詞を見てすぐに口ずさんだあなた、年が判っちゃうね。僕より少し年上だね。
そう、この歌詞は、西田佐知子のヒット曲「アカシアの雨がやむとき」だね。さて、この歌のタイトルにも使われている「アカシア」とは・・・・・?
石原裕次郎のヒット曲「赤いハンカチ」に歌われる「アカシアの花」
北原白秋の「この道」に歌われる「あかしやの花」
松任谷由実の『acacia「アカシア」』
レミオロメンの「アカシア」
これらの歌の歌詞などに使われている「アカシア」とは、正確に言えば「ニセアカシア」(和名は「ハリエンジュ」)という樹木なんだよ。
ニセアカシア(ハリエンジュ)
明治時代にアメリカから輸入された際、アカシアという名前で流通していたのが原因で、その後本当のアカシアが輸入され、ニセアカシアという名前に訂正されたんだけど、一度普及してしまうとなかなか変更するのは難しくてね。
アカシアもニセアカシアもマメ科に属するという点では、遠い親戚筋なんだけど、花の形は全く違うよね。ニセアカシアは白い蝶形花(マメ類の花形)が多数付いて房状に垂れ下っていて、ちょうど藤の花に似ているよね。
ニセアカシアの花の拡大
花の咲く時期もゴールデンウィーク過ぎ頃だから、藤よりちょっと遅いくらいかな。
アカシアは数百もの種類があるんだけど、どの種類も花びらしきものは見えなくて、雄しべがたくさんあって、黄色もしくは白い刷毛状のぼんぼりのような花なんだよ。
ギンヨウアカシアの花の拡大
みんなは庭木や公園などに植えられているギンヨウアカシアという種類を良く目にすると思うんだけど、春先に樹幹全体が真っ黄色に染まるから目立っているよね。
アカシアを代表するギンヨウアカシア
ギンヨウアカシアの花
ところで、アカシアを「ミモザ」と呼んでいることもあるんだけど、「ミモザ」はオジギソウの学名(Mimosa)で、これは明らかに間違いなので、使わないように十分注意するんだぞ。
ついでに教えておくけど、「アカシアの蜂蜜」として売られている蜂蜜は、もちろん「ニセアカシア」の花の蜂蜜だからね。