柊とホーリー
いよいよ今年も押し迫ってきたねえ。街中はクリスマスモード一色。ところで、西洋でクリスマスに欠かせない木は、モミの木とヒイラギだね。モミの木はもちろんクリスマスツリーに使うけど、ヒイラギはホーリーと呼ばれクリスマスリースに使うことが多いよね。
ホーリーのクリスマスリース
ところで、クリスマスカラーと言えば、赤、緑それに白の三色だけど、赤はキリストの流した血の色で愛を表し、緑は常緑の木の色で永遠の命を、そして白はクリスマスに降る雪の色で純潔や潔白を表すそうだぞ。知らなかった人は、クリスマスを祝うのであれば、ちゃんと覚えておくんだぞ。
セイヨウヒイラギ(ホーリー)
さて、ホーリーはキリストか付けていたイバラの冠のように鋭い刺があり、常緑であることと、キリストの流した血のような赤い実を付けることで、クリスマスにはよく使われるんだ。ヨーロッパには,常緑の木は針葉樹くらいしかなくて、常緑広葉樹でしかも赤い実のなる木はすごく珍しいんだよ。
日本にもヒイラギは自生しているけど、ヨーロッパのホーリーとは全く異なる植物なんだぞ。日本のヒイラギは赤い実を付けなくて、黒い実を付けるんだ。
ヨーロッパのホーリーは、正確にはセイヨウヒイラギと言って、モチノキ科に属する常緑樹で、日本にもモチノキやクロガネモチなど常緑で赤い実を付ける仲間がいるぞ。ところが、日本のヒイラギはセイヨウヒイラギと葉の形は似ているけど、全く縁の遠いモクセイ科に属していてキンモクセイの仲間なんだ。
ヒイラギの葉
木偏に冬と書いて柊、これはヒイラギと読むんだけど、これはみんなも知っているよね。じゃあどうして木偏に冬なのかって? 柊の花は、真っ白で清楚な香りがするんだけど、年末から年明けにかけて真冬に咲くんだ。だから冬の木って訳さ。一度よく観察してごらん?
ヒイラギの花
ヒイラギとセイヨウヒイラギは縁の遠い植物だけど、葉に刺がある以外にも共通点があるんだぞ。それは、どちらも歳を重ねると丸くなるってこと。みんなも最近は丸くなったねえって言われてないかい?
葉の縁が丸くなったホーリー
丸くなったヒイラギの葉
どういうことかって? ヒイラギもセイヨウヒイラギも年を取るにつれて葉の刺の数や鋭さが緩くなっていき、古木になると全くなくなってしまって普通の縁の丸い葉になるのさ。
人もヒイラギも、歳を重ねるにつれて丸くなっていくもんだよ! ついでにもう一つ。アメリカのカリフォルニア州にハリウッド(Hollywood)という映画で有名な町があるけど、この名前は、ホーリーがたくさん生えていた土地だったからってのは、ちょっと眉唾物だね。