白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

2017.11.10 園田女子大学名誉教授 田辺眞人先生

2017/11/16 

「ずっと来て頂きたかった方です。西宮阪急が無事9周年を迎え10年目に入るこのタイミングでお話を聞けるのが嬉しくて」と白井が紹介したのは園田女子大学名誉教授の田辺眞人先生。白井が大好きなエッセイ「フライブルグのマーチン門」を書かれた奥様のゆかりさんとともに来てくださいました。今回は歴史家の田辺先生に身近な阪神間の歴史や文化について講演会形式でお話を。

「阪神間とは簡単にいうと大阪と神戸の間、尼崎・西宮・芦屋となりますが、神戸は入ると思いますか?神戸が入ると思う人と入らないと思う人はだいたい半々です。でも大阪は入らないでしょ?伊丹・川西・三田も阪神間と称されることから、阪神間という概念は兵庫県のものと考えられるんです。どこから来ましたか?と聞かれて兵庫から来ましたと神戸の人は言いません。芦屋、宝塚もそう。西宮は半分は西宮、半分は甲子園球場の近くからと答えます。あと一つ兵庫からといわない地域はどこでしょう?」答えは丹波篠山だそう。日ごろ気づかず生活している地域の概念にはっと気づかされ、歴史の話題に引き込まれます。「西宮北口を略してニシキタと呼ぶのは大阪風、神戸は本来キタグチと呼んでいました。何気ない言葉にも文化圏の違いが表れます」。

古墳時代の湾岸地方の略図が書かれたレジュメをみて、古代から現代への土地の成り立ちをたどり、風土や人の営みに思いをはせると地名や神社の由来が、一つの糸のように今につながる楽しい時間に。「波が穏やかな瀬戸内の行き止まりが大阪。西風の影響でこの辺りは波が高く速くなる、浪速(なみはや)と呼ばれ、浪花(なにわ)となっていったんです。」西宮・尼崎・芦屋の由来もそれぞれに説明をしてくださり、お客様も「へぇ~」の連続です。

「何気なく見ている町の名前にも歴史とともに意味がある、そんなことに心を寄せてみると新たな発見があったり、旅や暮らしが楽しくなります。それが教養なんですよ。」
歴史の楽しさを存分に味わって、試食を食べるのも忘れるほど。今回の試食はドンクのバケットに東洋ナッツ「パンに塗るアーモンド」と「野菜につけるピスタチオ」のナッツペーストを。「このピスタチオをお酢とマヨネーズで伸ばしてブロッコリーに添えてみました」と白井。紅茶はムレスナティーハウスの「心からありがとうのお茶」。

いろんな角度から地域の歴史を知ることで今住んでいる町への愛着をより深めることができた素敵なひとときとなりました。(文:土田)

西宮阪急「食のミニセミナー」一覧へ戻る