第2回 「雪」と「フキノトウ」
2021/3/2
東京から富山に移住して、改めて地方の食の豊かさや健康の大切さを学んでいます。富山暮らしで発見したこと、気がついたこと、クスッと笑えるネタになるようなことを徒然と語ります。
田原朋子(プロフィール)
子育てがひと段落したこともあり、30年間勤めた某公共放送系実用出版社を退社して富山県富山市にIターン。夫と猫と気楽なマンション暮らし。現在はフリーで、食と健康の編集企画・ライター業を営む。得意分野は実用もの。白井操先生には、テキストの編集や広告部での仕事でたくさんのご縁をいただいた。
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第2回 「雪」と「フキノトウ」
「スノーシュー」をごぞんじでしょうか? 昔でいえば「かんじき」になります。防水された靴にスノーシューをセットすると、雪山を歩くのにとても便利です。便利なだけではなく、真っ白な処女地を、新雪かき分けワシワシと歩く楽しさたるや!運動音痴の人にもオススメのレジャーです。
こんな遊びができるのも、ここ富山県が世界でも有数の豪雪地帯だからでしょう。先日は、立山山麓スキー場近くのハイキングコースを、ワシワシと2時間ほど歩いてきました。車で1時間以内の日帰りです。
◀スノーシュー(レジャー用のレンタルです)で歩けば、雪はたちまち楽しいものに!立山のスキー場では、綿に包まれたコブシの花芽を見つけ、ノウサギ(写真)やリスの足跡を見つけました。ちなみに、立山の室堂(標高2450m!)では、5月半ばくらいまで雪遊びが可能です。
とは言ってももう3月。雪景色も、里に降りればいい加減うっとうしがられるようになりました。打ち合わせに出かけても「もう雪は勘弁してほしいよね」が挨拶です。
▶この冬は35年ぶりの積雪を記録。富山の街中でも1m超えで、道路が全く見えなくなりました。東京で使っていたブーツ類では太刀打ちできず、長靴で。このとき、Myスノーシューを本気で買おうかと思いました!
そして、寒い寒いと思っていても、雪は着実に雨に変わってきています。
雪が溶ければ、その下から顔を出すのがフキノトウ。皆さんはもう召し上がりましたか? 見かけると、思わず「待っていました!」と声をかけたくなります。たぶん全国より遅れていると思いますが、ここ富山でも、近くのJA販売所で栽培ものの県内産フキノトウを見つけました。ぷっくりとして立派なフキノトウです。5つ(70gほど)で130円。
◀ひとつ12~13gもあるぷっくりと立派なフキノトウが売られていました。
さっそく、1つをお昼ご飯にピザトースト風にして食べてみました。貴重な一房を熱湯でサッとゆでて、花蕾は刻んでみそとみりん少々で簡単にあえました。パンにシュレッダーチーズと、みそあえの花蕾をのせて、彩りと甘味の補強に赤パプリカを少々。香りのよいガクの部分は、パンが焼けた後でそのままトッピングにします。
この独特な苦味とえぐみがたまりません。ほんのひとなめしただけで、大根や白菜ばっかり食べてきた冬モードの舌が、一気に春になりました!舌から春になるって、ちょっといいですね。
▶フキノトウのピザトースト風。山菜特有の苦味えぐみがたまりません。
とはいえ、フキノトウの醍醐味はなんと言っても「自分で見つける」ことです。自分で見つけるには、歩かないといけません。今年は雪が多いために、いつもよりゆっくりとフキノトウが顔を出しているようです。市の中心部から車で20分の呉羽山や、八尾や立山など、散策する山はたくさんあります。重い腰を上げ、トレッキングシューズに履き替えて行ってこようかな。
ここでお目当ての野生のフキノトウが見つけられたらラッキーなのですが。自作のフキノトウみそを作れるくらい採れるといいな。
◀千葉にある実家では、毎年2月中旬に決まってフキノトウが出るポイント(ガレージの裏)があり、今年の芽吹きの様子を写真で送ってもらいました。温暖な土地なので、成長も早く、既にトウが立っています。