白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

おしらせプラス

「見直そう!日本食文化~高野豆腐でおいしく健康に~」こうや豆腐フォーラム

2021/11/30 

今お知らせしたい耳よりな情報、白井が出会った素敵な人や仕事など、毎回新たな切り口でご紹介。トークショーや料理セミナーでお話するような気持ちで、楽しい話題や知っておきたい知識をHPで発信します。
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10月29日に大阪市内で開催されたこうや豆腐フォーラム「見直そう!日本食文化~高野豆腐でおいしく健康に~」は、医師・作家の鎌田實先生、医学博士・管理栄養士・健康運動指導士の廣田孝子先生と白井のお馴染みの顔ぶれで、今回も充実した内容になりました。元気で楽しい人生を送るための最新情報をそれぞれの立場から話され、和やかに意見交換されるその様子は、11月29日の読売新聞に採録記事が掲載され、多くの嬉しい反響をいただきました。
そんなこうや豆腐フォーラムの気配を味わっていただけるコンテンツを用意しました。動画と文字でお楽しみください。
当日の内容をまとめたものはコチラから(協力:読売新聞)>

<今回のフォーラムを振り返るインタビュー動画です>
高野豆腐の魅力と面白さを白井の言葉で語ります。

 

<(関連動画) こうや豆腐がぐっと身近になるショート動画(協力:旭松食品)>

ナッツを広め、ナッツと歩む新たな一歩

2020/12/10 

今お知らせしたい耳よりな情報、白井が出会った素敵な人や仕事など、毎回新たな切り口でご紹介。トークショーや料理セミナーでお話するような気持ちで、楽しい話題や知っておきたい知識をHPで発信します。
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  日本で初めてナッツのローストを始められた東洋ナッツ食品株式会社は、1959年、先代の故・中島泰介さんが兵庫県神戸市で創業。当時はまだまだ高級品であったナッツをもっと身近に……との想いのもと、輸入から焙煎、加工、包装まで一貫して行う日本では初のナッツ専業メーカーとしてその普及に尽力されました。今日のように、コンビニやスーパーで気軽に買え、おやつや料理の食材としてもナッツをいただく食文化は、東洋ナッツさんによってつくられたといっても過言ではないでしょう。1996年より引き継がれた中島洋人社長にお話を伺いました。

「いつでも、どこでも、だれにでも」に込めた想い。
 60年前、日本の食生活は貧しく、栄養状態も悪かった。そんな時、父は栄養の高いナッツに出会い、なんとか日本人の健康増進に役立てたいという思いで「いつでも、どこでも、だれにでも」を指針に掲げました。しかし、そういう状況は80年代半ばにはほぼ達成。私が社長になり最初に思ったのは「改めて、本当に美味しいナッツとは何かを追求する」ということでした。現在、ナッツは身近になったとはいえ、まだまだおつまみや、料理でもトッピングや添え物のイメージが強い。この役割を逆転させ、ナッツをメインにする新しいシーンを創出していくことが、今後の目標です。

息の長いお付き合い。人のつながりに感謝。
 ナッツの栽培には長い歳月がかかります。植樹してから、アーモンドがまともに収穫できるのは8年目くらいから。ピスタチオは最低でも60年。その間、生産者は水や肥料を与え、虫害や気象に気を配りながら世話をします。そんな懸命な思いが実になり、収穫へとつながります。収穫はいい時も悪い時もありますし、相手が必ず買ってくれる、売ってくれるという保証もない。だからこそ大切なのは信頼関係。我々は農園主とコネを持つ輸出業者と交渉するのですが、その会社の信用、社長の人柄も大きい。今春、創業60年の記念式典に初めて海外の取引企業を招くことができました。改めて人のつながりに感謝したひとときでした。

いい畑、悪い畑とは?
 以前、米国のアーモンド畑を訪ねた時、畑の顔の違いを感じました。農園主の愛を感じる畑、軍隊のように誇らしく並ぶ畑、デザインが調和されている畑、それぞれ作り手の性格が出ているんです。いい畑、悪い畑の格付けは難しい。環境や天候に左右される農作物の収穫は、決していい年ばかりじゃない。できのいい年は、どこの畑のナッツもたいてい美味しいです。でも、できの悪い年に大きく差が出ます。いい年には100点取れていたものが、悪い年は85点。105点だった畑が悪い年は65点だったりする。我々としては、この差が少ない方がいいわけです。いい畑は、幼木で収穫が得られない何年もの間を、しっかり育ててもらっているから、こんな時こそ頑張ろうと思ってくれるんじゃないかな(笑)。

女性の悩みにアプローチした新展開。
 ここ数年、健康美容ブームでナッツを食べる食習慣が若い女性たちを中心に増えていることを受け、2020年9月に、10日間限定で東京銀座に「美容とナッツの専門店」をオープンしました。美容効果が期待できる栄養素を含んだナッツを取り揃え、食生活やライフスタイルにあった「パーソナライズド・ナッツ」を提案。パッケージを手のひらサイズの半球型のカップにするなど、お洒落なイメージをプラスし、ダイエット、美肌づくり、睡眠サポートなど、女性の悩みにアプローチした管理栄養士監修のセットは予想以上に好評で、ナッツの新しい楽しみ方を発信できたと思っています。

社長イチ押しの、ナッツの楽しみ方。
 私自身は、家では朝食のサラダにクルミをトッピングして食べています。また、当社の商品にアーモンドペーストがあるのですが、イタリアンドレッシングに溶き混ぜ、野菜などにかけて食べると抜群にうまいです。またカシューナッツは、家庭でフライパンでローストすると焦げやすく意外に難しいので、当社の加熱済みカシューナッツを中華の炒ものなどに使ってもらったらいいなと思います。濃いめローストは少し甘味が出ますから。またコレが、ポテトサラダに合うんです!香ばしさが増して美味しい。ぜひお試しを。いまは、業務用に販売しているものを小分けして販売しようと考えています。

毎日の食卓にもっとナッツを!
ナッツの新しい展開、今後の活躍を応援しています。
東洋ナッツ食品㈱HPでも白井のエッセイとレシピを連載中です。今月はスタジオに中島社長をお迎えした日の白井の思いを綴っています。こちらもごらんください。
白井操さんのナッツkitchen

知ってびっくり!こうや豆腐の最前線  vol.2

2020/9/3 

前回に引き続き、今回も旭松食品株式会社の代表取締役社長 木下博隆さんとのちょっと先行くトーク第2弾をお届けします。どんどん進化を遂げるこうや豆腐、大豆を使った新商品開発、気になる乳児のアトピー性皮膚炎の改善報告など、今回も盛りだくさんの内容でお届けします!

大豆のおいしさ、これから、もっと。
白井 前回は、こうや豆腐の健康効果などについてお聞きしました。
最近は、こうや豆腐を粉末にした「粉豆腐」や「おから」を乾燥させた微粉末の「なめらかおからパウダー」も注目されていますね。
木下 粉豆腐は、こうや豆腐と同様、レジスタントたんぱく質や鉄分、カルシウムたっぷりな上、粉状でアレンジがしやすいことから、地元長野県飯田市では昔からご家庭で愛用されているんですよ。
白井 「なめらかおからパウダー」を使った私のレシピを御社のホームページで紹介させていただいていますが、微粉末でそのままかけたり混ぜたり、ほんとに手軽。加熱も不要で、食材の水分や旨みを包み込んでくれるおからパウダーなら、白和えや鯖缶を使ったディップも余分な水分を吸収してくれて上手にできますよ。
木下 「なめらかおからパウダー」は、100g中に食物繊維が63.5gも入っています。食物繊維の目標摂取量は、男性が1日あたり21g以上、女性が18g以上とされています。不足しがちな食物繊維を手軽に補っていただきたいです。
白井 それとフリーズドライの納豆も楽しい!水気を加えてしばらく待つと粘りが出てきますよね。もどすための水分は水だけでなく、だし・トマトジュース・ポン酢醤油など、なんでもOK。料理のアイデアが広がります。そのまま食べるとさくさくした食感で・・・。
木下 家庭用商品が9月1日に発売になります。我が社はもともと生納豆の製造・販売を行っていましたが、2011年に他社に譲渡したんです。そのときもフリーズドライ納豆だけは商品として残したんです。納豆菌が生きている乾燥納豆です。チャーハンに、パスタに、味噌汁に気軽に使えます。

フリーズドライ納豆をもっと詳しく(旭松HPへ)>>>  

納豆菌の種類によって違う、免疫効果
白井 納豆は、免疫力を高める食品としてよく知られています。新型コロナウィルスで大変な今、ぜひ食べたい食品の一つですよね。
木下 しかし、すべての納豆菌が免疫力をグンと高めるとは、言いにくいんですよ。
白井 そうなんですか?菌によって違うんですか?
木下 当社は、納豆事業に参入するときに、全国の水田を駆けずり回っていろいろな稲藁を集め、菌を培養してきました。つまり、納豆菌は稲藁の数だけ種類があり、それぞれ免疫力を高める効果も違います。稲藁によって当たり外れがあり、免疫効果が高いうえに、とてつもなくうまい納豆ができるかもしれない。でも、大手メーカーは、賭けのようなことはできませんから、安定供給のため、大体が三浦菌という確実な菌を使って製造しています。当社が扱うのはオリジナルの納豆菌で、その中の一つに、特に免疫力を高める納豆菌があるんです。現在はそれを牛の飼料に混ぜて使用しています。
白井 前回のトークで教えてくださった機能性飼料ですね。きっとみなさん納豆はすべて免疫力を高めてくれると思っていますよね。
木下 もちろん、納豆は免疫力を高める食材ですよ。でも、免疫力のレベルでいうと、この飼料用の納豆菌は3倍くらいのチカラがあります。
白井 へぇ~、一般に向けて販売していただきたいと思いますね。まさに、宝の山があるという感じ。
木下 ハハハ、なかなか掘り出せない、宝の山が……(笑)。確かにフリーズドライ用に使ってもいいかもしれませんね。ちょっと急ごうかな(笑)
白井 ぜひ!大豆のフレークもあるんですよね。
木下 「大豆の華」という商品です。大豆100%のヘルシー素材で、加熱済みなのでそのまま食べられ、一切の食品添加物不使用。様々な料理に使えます。
白井 みんな、フレークもちゃんとしたものを食べたいはず。あまり知られていませんよ。もうちょっと広告されませんか?
木下 そうですよね(笑)。

「大豆の華」は通販サイトでの取り扱いになります(旭松HPへ)>>>

アトピー性皮膚炎にこうや豆腐を
木下 実は、6月にこうや豆腐を用いた栄養指導で、乳児のアトピー性皮膚炎がステロイドなしで改善したという内容のニュースリリースを出しました。
白井 わあ、それは、大きなニュースですね!アトピー性皮膚炎で困っているお母さんは、みなさん嬉ばれますよ~。
木下 小児科医の佐藤美津子先生と、栄養士の渡辺雅美先生との共同研究で、粉豆腐を使用したデザートメニューを追加するなどの栄養指導を行ったところ、6ヶ月以上の乳児8名中7名の患者に改善傾向が見られたんです。佐藤先生は、以前からステロイド薬を投与することなくアトピー性皮膚炎の症状を改善できたらいいなとお考えだった方で。我々も、今後もさらに健康的な食生活に寄与できる商品の開発を進めていきたいと、気持ちを新たにしているところです。
白井 私も、以前NHKの「きょうの料理」でお医者様と一緒にシリーズでアレルギーを持つ子どもたちに向けたレシピを紹介しました。ジャガイモを蒸して、酢と油と塩を少しずつ入れて、卵を使わず見た目がマヨネーズに似た家族で食べられる疑似食「自家製ノン卵マヨネーズ」とかね。お母さんたちに取材をして。ずいぶん学びの多い番組でした。
木下 お母さん方は、本当に困り果てて来られるらしいです。乳児の食事指導は、赤ちゃんじゃなくてお母さんにするじゃないですか。なので、お母さんの食生活を見直すことで母乳も改善される。リバウンドを乗り越えるまでは大変らしいですが。
白井 高野豆腐のパワー、すごいですね。
木下 あくまで食品なのでね。薬じゃないので、伝え方が難しいですよね。

これから、めざしたいこと
白井 いろんな技術を持っておられて、どんどん進化されて・・・。未来が楽しみですね。
木下 今まで以上に研究を重ねて成果を上げていきたい。こうや豆腐は、日本で1200年も続いている長寿食品です。昔の人は生豆腐を凍らせて熟成させ乾燥させていた。このフリーズドライという工程に、こうや豆腐の健康機能性を高める秘訣がある。目下の夢は、海外にもっともっとこうや豆腐を普及させること。和食とともに、こうや豆腐も海外で親しまれる食材に成長してほしいですね。
白井 ウィズコロナの中、みんなが健康の大切さを改めて実感しています。旭松食品さんの製品は、こうや豆腐をはじめ、どれもこれもみんな気軽に手に入るものばかり。だからこそ、世界を救う食材に成長するのでは・・・と期待します。貴重なお話、ありがとうございました