白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

セミナーレポート 2017.10.27 桂南光さんをお迎えしてお歳暮カタログ試食会

2017/10/30 

年2回恒例になっている青いギフトカタログの試食会は、白井の仲良し桂南光さんとともにご紹介するスタイルになって3年目。いつの間にかゲストの南光さんと白井の立場が逆転しつつ、今回もスタート。

「全国に生産者の現場をたずねて、納得した上で白井さんがおすすめする商品ばかりなんですよね。」と南光さん。大きなモニターに取材風景を映しながら、その時の感動を嬉しそうに語る白井をアシストしつつ「しっかりしなはれ」と突っ込む掛け合いがなんとも和やかです。

京都「京料理 貴与次郎」の『合鴨と京野菜の白みそ豆乳鍋』は柊屋で長年腕を磨いたご主人が素材を厳選して丁寧に仕上げた豆乳鍋。福井「開花亭」の『三色海鮮つみれ鍋』は魚介も野菜も福井産にこだわった贅沢な鍋。「どちらもお電話でご都合を伺ってからのお届けなので安心してくださいね」と白井。

兵庫「マルヤ水産」『香住ガニのスープ」は「濃厚なのでそのままでもパスタにしても」。富山「越田商店」の『氷見ぶり味噌漬・塩麹漬詰合せ』は「漁師さんが自ら手掛ける素朴な味わい」「氷見のブリはほんまに旨い!」と二人うなずきながら。

長野「森の畑シャン・ドゥ・ボア」からは『いちじくのワイン煮』。「チーズや生ハム、チョコとこれがあれば幸せな気分に」。埼玉「富久家」『栗きんとん入り羊羹」は「有機肥料を使った十勝産の特別栽培小豆など原料にこだわったやさしい味わい。試食を用意できなくて残念!」。

宮崎「京料理・宮川」『宮崎牛のやわらか煮』「たん熊で修行され地元の宮崎の食材を生かした京料理が自慢のお店。私がこれをもらったら豆腐を足して旨みをまるごと味わいたいと思いました」。

「長らくお待たせしました!ここからは試食を味わっていただきながらのご紹介です」と南光さん。
ほかほかのふかひれ饅頭とふかひれ焼売は、気仙沼にふかひれの自社工場を持つ中華食材の老舗卸売、東京・日本橋「古樹件」の『ふかひれ飲茶セット』から。

鹿児島「農事組合法人 三笠えのき茸生産組合」『濃いきのこの炊き込みご飯セット」は「鹿児島県産の杉のおがくずと米糠の培地で50日かけて栽培されるえのきと原木しいたけの旨みがしっかり味わえるご飯です」。
奈良「アルペンローゼ」の『石窯・天然酵母パンセット』は長時間熟成と天然酵母100%のこだわりパンを冷凍でお届け。試食には自然解凍した3種のパンを。

軽井沢「レストランガンボー」の『きのこ入り特製ハヤシソース』は「デミグラスソースのおいしさをぜひ味わってほしい」と白井。
「柔らかで深い味わい」と客席からの声をいただいた神戸「ハング」『手造りスモークベーコンとロースハム』は職人集団が手掛ける本物の味。

「こっそり後ろに来てくださってる香山さん、この方の作られる糯米は普通じゃないいんです」と白井。天橋立のそば与謝野町の農家の5代目香山喜典さんが手掛けられるのは京都「祐喜」の『新羽二重もちセット』と『しあわせのかきもちセット』。試食にはかきもちを。「何より作り手のご本人が来てくださるのが有難いね、操さん。」モニターには緑輝く田んぼで笑顔がすてきな奥様との作業風景。「なんや幸せそうなんがええねぇ」と南光さん。

長崎「琴海堂」からは『自然薯入りカステラセット』。今回は自然薯が入ってしっとりモチモチ。新しい食感のカステラを特別に作っていただきました。

「楽しいとおいしいがひとつになったら、これほど体にいいことはないね」と白井。南光さんのお蔭で回を重ねるごとに試食会も充実。次回もお見逃しなく。(文:土田)

セミナーレポート 2017.10.6 白井操の料理講習会

2017/10/12 

今回はいつもアンケートでたくさんのご要望をいただく白井操の料理講習会。「4月から始まったきょうの料理ももう半分が終わりました。一年早いですね。」いつもの何気ない白井のおしゃべりでスタート。ここ最近の「きょうの料理」から試食と講習を楽しんでいただきます。
まずはさわやかに日向夏のジュースの試飲でリフレッシュ。

先日の放送でご紹介した大豆のディップ。「朝のパンにバターのように使えるものをと考えたのが始まりです。もう20年ぐらい前かな。当時は大豆でいろんな工夫をするのが楽しくて」。今回の試食は黄大豆に変えて黒豆を使って。「何度も作るうちに、ささみを入れる今のレシピになりました。もちろん、ワインにもぴったり」。大豆の水煮は時間のある時に炊いて冷凍保存も可能。「大豆はひたひたの水で焦げないように水を足しながら煮るんです。たまに失敗してお鍋を焦がすこともありますが、大豆のおいしさを全部食べたくて」と笑顔の白井。

ドンクさんが用意してくださった朝焼きたてのバケットで、もう一品は9月の放送で紹介したチャツネ風フルーツソース。ヨーグルトの水気を切ってクリーム状になったものを塗ったバケットにチャツネをのせて。「ロンドンのスーパーに行くとチャツネがずらりと並んでいました。イギリスではプラムで作りますが、これは梅で。果物がちょっと痛みかけたかな、という時はチャツネを作るチャンス。甘塩っぱい味わいは鶏の照り焼きやパンに合いますよ。ジャムとソースの真ん中のような洋ものの箸休めのような感じかな。余分な水分を吸ってなじませてくれる高野豆腐の粉を少し足して仕上げます。粉豆腐は煮物や佃煮にも便利」。会場のお客様は初めての味わいに興味深げなご様子。

高野豆腐がテーマの9月の放送から高野豆腐のグラタンも試食に。「牛乳で高野豆腐を柔らかく炊くんです。牛乳をよく吸うように高野豆腐を水にさっとつけてそのまま30秒。中まで柔らかくする必要はありません。切りやすくなる程度に戻すのがポイント。ホワイトソースを作らなくてもいいので、とにかく簡単」。会場からも子供や孫に作ってあげたいと反応は上々。

ほかにも高野豆腐のクリームコロッケやいつものほの甘い含め煮をサラダに使うアイディアなど、へぇ~っと盛り上がった講習会。お客様との距離がぐっと近づく楽しいひとときになりました。  (文:土田)

セミナーレポート 2017.9.22 フジッコ株式会社 取締役 北島幹也さん  研究開発部長 戸田登志也さん

2017/9/29 

本日のゲストは、フジッコ株式会社 取締役 マーケティング本部長の北島幹也さんと研究開発部長の戸田登志也さん。ご参加の皆様にたくさんのお土産をご用意下さいました。

まずは戸田さんから大豆と昆布とヨーグルトのお話。「長寿の国日本でも平均余命と健康寿命には10年の開きがあります。この10年が食を通して縮めることができたらと色んな研究をしてきました。栄養バランスの指針を国家の重要事項として世界の国々が考えていますが、海藻類・豆類は日本にしかない栄養素なんですよ。とろろ昆布は、昆布を重ねて側面を0.02mmに削ったもの。細胞が切断されて吸収もよく水溶性の食物繊維がたっぷり。」フコイダンやアルギン酸などの成分は昆布ならでは。「女性ホルモンに似た働きをする大豆イソフラボンは、骨粗しょう症予防や心臓病予防にも効果が認められていますが、食文化が変化して若い人は大豆を食べる量が減っている残念な状況です」。

「カスピ海ヨーグルトの粘りはクレモリス菌のEPSが作り出す独自のもの。整腸効果、風邪やインフルエンザ・アトピーの抑制効果、食後の血糖値の上昇をゆるやかにする効果などいいことがいっぱい。日本の食生活に沿った形で食べる量を増やすことができればと考えています。」などなど、資料やデータとともに次々と耳よりな話題を。

「カスピ海ヨーグルトのトッピングは黒豆餡のお団子。黒豆の甘煮をつぶして、アーモンドパウダーやすりごまなどを加えると手軽に餡が作れます。塩昆布を刻んで、ツナ缶と刻みネギと混ぜ、醤油とオリーブ油、黒コショウで味つけしただけの具をごはんにのせて。レンジで味をなじませるのが『ツナ缶と塩昆布丼』のポイント」と白井から試食のご紹介。

「実は・・」と北島さん「塩昆布を細かく刻んであり、食卓でふりかけて食べていただくボトル入りの便利な新商品を来月発売予定です。プレーン味ともうひとつ、ちょっと冒険して洋風メニューに合うガーリックペッパー味も作りました。今日のお土産にもご用意しています。」新商品の先取り情報も飛び出し、会場も盛り上がります。

「『食は人の天なり』と先人の言葉があるように、人にとって食はとても大事なもの。人の命をつないでくれる食を大切に思う方がここに集われているんですね」と白井。今日も和やかに学びあり笑いありのセミナーでした。

(文:土田)