白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

セミナーレポート 2018.4.6 白井さんの料理講習会

2018/4/12 

一番に「わぁ!」と声が上がったのはお客様が手にされたつくしのお干菓子。「小さい頃、母がよく作ってくれたもの。おひとつずつどうぞ。今日は白井からお伝えしたいことがいっぱいの盛りだくさんのセミナーになりそう。

「今朝リニューアルした『白井さんのセレクトコーナー』を初めて見ました。」場所も少し変わって手に取りやすくなりました。試食はセレクトコーナーからXO醤とエノキとしいたけの炊き込みご飯を。「今日から販売が始まるXO醤。福井の一流料亭が手掛けた添加物のないXO醤です。初めて味わうものは白ご飯と食べるとそのものの味がよく分かりますよ。今日は炊き込みご飯ですが(笑)。乾燥させてぎゅっと旨みが詰まったエノキと原木椎茸がたっぷりの炊き込みご飯の素で炊きました。XO醤は1980円とお高いのですが、材料を厳選して誠実に作るとどうしてもこれくらいになってしまう。このコーナーの商品は添加物が少ない分、作るのも大変、賞味期限が短いから売り手の阪急さんも大変なんですって。たくさんの支えがあって並んでいるんだなと改めて感じました。」

7月29日に大阪で開催される高野豆腐のセミナーの話題にも触れ、「きょうの料理テキスト8月号の広告に掲載予定のレシピを作りました。ちゃんと旭松さんにはOKをもらいましたから(笑)。コレステロールを下げるレジスタンスたんぱくや繊維質たっぷりの高野豆腐と豚肉、栄養とおいしさの両方楽しめて、かさ増しもできる便利なレシピ。めんつゆを使うとびっくりするほど手軽に。まず高野豆腐にめんつゆ(ストレートタイプ)を裏表に分け大さじ2をかけます。豚肉100gに高野豆腐は2枚ぐらいの割合。それぞれ食べよい大きさに切り、櫛切りの玉ねぎと卵とじにすると、丼にもおかずにもなる便利なおかずに。高野豆腐のために水を200ml入れるのがポイント。お好みでお酒と塩をプラス。お鍋の中でだしごと吸ってちゃんと戻ります。最近の高野豆腐はすぐに煮溶けたりしないので怖がらずに試してみて。冷めてもおいしいんです」。
「アンケートのお便りから『持ち寄りパーティーなどに便利なレシピを』とのリクエストにお応えしてマリネを紹介します。冷凍のイカとエビを使って作れます。マリネ液とよくからむように、かのこに切り目を入れたり、片側に切り目を入れたイカと下ごしらえしたエビは、それぞれ塩と酒を入れたお湯でさっと湯がきます。きゅうりは塩をしてしばらく置いてから切ると、水気を絞りやすいですよ。トマトがあまりおいしくない時は砂糖を一つまみふって」。今回はイカ・エビ・新玉ねぎ・きゅうり・トマト・オリーブのマリネ。「今日のお魚売り場おすすめはアマダイ。これをフライパンで焼いて使うこともできます。マリネ液はトマトの切ったものとホール缶のトマトがだしになります。プラス塩とオリーブオイルです。和のだしを足しても。マリネ液だけ飲んでもおいしいように仕上げてくださいね。取り分けや片付けがしやすいのも大切なポイント」。

最後に質問をたくさんいただく魚について。「お魚の扱いが上手にできなくても、魚屋さんとのおつきあいが上手にできれば大丈夫。『こんな風にして食べたいんだけど』『これはどう食べるとおいしいの』って聞くと親切に教えてもらえますよ」。
セミナー後、白井から「盛りだくさんすぎて参加下さった方もバタバタで大変だったかも。ごめんなさい」とこの場でお詫びをとの伝言が。メモを取りながら笑って食べて、話題満載のひとときになりました。(文:土田)

セミナーレポート 2018.3.9 「きょうの料理」を振り返って

2018/3/16 

今月シリーズ最終回を迎える「きょうの料理・程一彦&白井操の楽しいごはんの時間」。今回は放送を振り返りながら、番組でお伝えしきれなかったコツなども交えてお伝えするセミナーです。 「1年全部おさらいすると時間がとても足りないので、1月~3月の放送分についてお話したいと思います。お魚売り場のきょうのおすすめはアトランティックサーモンとアサリだそうなので、レシピの紹介に交えてご紹介しますね。いつも開店前の売り場や寒いバックヤードで商品の準備を一生懸命されている方の姿を見て感心するんです。ここには出店の前から関わってきたので思いもひとしお・・・」と白井。

1月放送、ピンチの時に役立つごはんから『煎り豆と野菜の煮物』を試食に。「節分の時に食べる煎り豆を使います。煎ってあるので時間も短縮できて、スープを吸って『豆ってこんなに戻るんだ!』と嬉しくなるかも。旬の春キャベツで作ると色は華やかだけど、これには冬キャベツのほうが合うかな」。おにぎりをダシで炊いて卵でとじるだけの「おにぎり雑炊」は「冷蔵庫のストックや乾物は自分や身近な人のピンチを支えてくれる心強い味方」。

2月の鍋料理からは「海鮮団子と春菊の鍋」を試食に。「サゴシとエビとれんこんのお団子です。サゴシは鰆の子供で値段も手ごろ。関東ではあまり手に入らないそう。関西に住んでてよかったね。今のれんこんはでんぷんが多くてもちもちした食感に。放送ではなぜか『でんぷんが少なくて・・・』って反対のことを言ってしまって・・・。今日お買い得のアサリを海鮮団子の具にすることもできますよ。砂抜きしてよく洗ってから、水か酒を少し振りかけて鍋に蓋をして火にかけます。殻が開いたら身を取り出して水気を絞って、生地に混ぜるだけ。揚げたてをそのまま食べてもよし、お弁当のおかずにもよし。たくさん揚げていろいろ楽しんで。添えの菊菜は小松菜に押されて今は売れなくなってきているそう。この独特の香りを楽しんでほしいな。朝、野菜売り場で見つけた白菜、昔よく食べましたよね。これも売れないと生産者の方が嘆いていました。いろんな菜っ葉を買って、なくならないようにしたいですね」。

「ぶりしゃぶ」はさっと鍋の昆布だしにくぐらせる程度で。「箸にかかりやすいようにぶりの身を薄く長めに切ってくださいね。アトランティックサーモンも生で食べられるものはしゃぶしゃぶにできます。骨があるので骨抜きで取って、皮を引いて、薄く長く切りますよ。刺身でも食べられるように用意してもいいですね。魚のお皿の下には保冷剤を敷いておきましょう。セリやクレソンでシンプルに差し向かいでごちそうを食べる大人鍋のイメージです」。
3月はお中元カタログのロケのため、セミナーは今日の1回だけ。そんな訳で3月放送予定のレシピも簡単にご紹介。「テーマは記念日ごはん。『カキとホタテのカナッペ』はカキが食べられない人のために、ホタテやエビなど、ちょっと特別感のあるものと用意します。お酒が苦手な人のために丁寧に入れた特別なお茶を用意するとか、みんなが喜んでもらえるように準備できると素敵ですよね。『牛肉のソテーとバターライス』はお湯を入れたお鍋にボールを浮かべ湯煎のようにしてさっと焼いた牛肉を保温することで、作る人も食べる人も一緒に熱々を食べられるのがポイント。バターライスにも牛肉の旨みがたっぷりなので、ボリュームが欲しい時はごはんを増やしてかさ増しできる、お財布にもやさしいメニューです。」

少しでもたくさんお伝えしたいと駆け足のセミナーでしたが、熱心にメモを取られる方、ニコニコうなずかれる方、今回も和やかなひとときとなりました。(文:土田)

セミナーレポート 2018.2.23 西宮阪急「白井さんセレクトコーナー」からご紹介

2018/2/27 

「セミナーの朝は9時ごろ西宮阪急に到着して、開店準備中の売り場の方にお話をお聞きすることから始まるんですよ。今日の魚売り場はサザエがお買い得。サザエはたわしで洗って、網がなければグリルで焼いて。途中取り出してフタをヘラのようなもので外し、醤油かそれにダシを足したものをちょっと垂らして、もう少し焼いて・・・」いつも白井の売り場のお買い得情報や旬の食材の話題で始まるセミナー。「自分が楽しいと思えることのお裾分けをするような気持ちで毎回ここにきています」と白井。ガラス越しにうららかに春を感じる日差し。試食を味わっていただきながら、和やかな時間が流れます。

本日の試食は、この春リニューアル予定の「白井さんセレクトコーナー」から、山城屋山葵店のわさび漬、中田水産のちりめんじゃこ、山田錦の館・吟醸白みそ、ひょうご雪姫ポークの生姜焼きはご飯に乗せてミニどんぶりに、博多・美はらの柚子こしょう、佐々木農園のあの日の梅干し、あんこ屋野中・黒豆入りぜんざい、ドンクのバケットにのせた東洋ナッツのパンに塗るアーモンドと野菜につけるピスタチオの9品。
それぞれに作り手のお人柄やこだわり、畑や作業場の様子など白井自身が見たこと聞いたことをお伝えしながら、味わっていただきました。

今回はお客様アンケートから感想をいくつかご紹介・・・。「白井さんコーナーの商品はよく購入します。安心できて本物の味が好きです。」「たくさんの試食が出て、どれもおいしかったです。前から気になっていたものもあってとても参考になりました。」「食べず嫌いだったわさび漬け、一口頂きとてもおいしく食べることができました。」「白井さんのコーナーはその良さを知らないと少し値が張って手を出しにくかったです。作り手のこだわりや食べ方のアドバイスを教えてもらうと納得できます。セミナーをもっと活用したい。」「三木市から来ました。吟醸白味噌は身近にこんなおいしい味噌があったこと初めて知りびっくりしました。地元の友人にも紹介したいです。」。
毎回セミナーの後、白井は一枚一枚すべてのアンケートに目を通します。温かなご意見に喜んだり、アイデアを頂いたり、時には反省も。

「レシピをもっと教えて欲しい。れんこんだんごは何度も作りました。」「魚のさばき方を教えて欲しい。」「肉じゃがをおいしく作りたい。」言葉に励まされたり、次はこんなセミナーにしようと考えたり、白井はいつも手紙のようにアンケートを読んでいます。
「白井さんの柔らかいトークを聞いているだけで心が温まり穏やかな気持ちになりました。」「セミナーに来るといつも何故かほっとします。」白井は「私たちも同じ思いだよね。嬉しいね」とにっこり。
ゲストとしてお招きした方がいつも口々に驚かれるこのセミナーのなんともいえない一体感。是非あなたも温まりにいらっしゃいませんか。   (文:土田)