白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

料理してみよう!お父さんの台所塾

台所から見えるもの

定年を迎えるとともに、人生のメインステージは会社から家庭に変わります。 家で過ごす時間が増え、家族の一員としての役割を新たに実感する機会も多いと思います。 「男子厨房に入らず」と聞かされてきた世代の方の中には「今さら料理など・・」と思われるかも知れません。

例えば、妻の体調が悪いとき、代わりに何かおいしいものを作ってあげられたら・・、孫が遊びに来たとき、自分の料理で食卓を囲めたら・・そんな風に大切な家族のために自分の時間を使うと考えると、台所の敷居はぐっと低くなるのではないでしょうか。

妻の誕生日に花もいいけど食事をプレゼントなんてステキですね。

今まで料理をしなかった分、してもらう側の驚きと感動はひとしおのはず。これは逆に男性の特権かも知れません。

でも台所は長年妻が守ってきた大切なお城でもあるので、新参者としての心得も必要です。 おしゃれなエプロンを用意して妻にやる気をアピールするのも楽しいことです。食事をしながらお総菜の作り方や我が家ならではの工夫を妻に聞くと、いろいろ話も弾むことでしょう。そうした妻とのコミュニケーションを大切にしながら少しずつ、我が家の台所のしきたりを覚えたり、新しいレシピにチャレンジすれば、自然と台所に立つ楽しさが実感できると思います。

慣れてくれば、塩や砂糖のちょっとした加減をしながら家族の健康を考えたり、友人を招いて食事したり、器や盛り付けに凝ってみたり、旅先で各地の美味しいもの見つける楽しみが増えたりと、知らず知らずに自分の世界が広がっていることに気付くはずです。 食事は毎日の日常であり、家族の団欒であり、健康の源です。料理を作ることから新しい視点で生活が見えてきたとき、人生を豊かにする暮らしの能力もきっと身についていることでしょう。

そして、いつか誰かに料理を教えるチャンスに恵まれたら、初めて台所に立ったころの戸惑いを思い出して、料理の手順とともに楽しさも伝わるように心がけて下さい。料理をはじめたばかりの人が自分と同じ楽しさや喜びを味わう姿は教えた人にとってもやりがいという大きな喜びをもたらします。 社会参加やボランティアを通して、誰かをサポートすることはお返しに自分がパワーをもらうということ。料理が男性を家庭から社会へと導く杖となれば、これほど私にとってうれしいことはないのです。

お父さんの台所熱 レシピ 詳しいレシピは写真をクリックしてください。