白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

頌栄幼稚園園長 阿部扶早先生をお招きして

2010/3/12 

139nishi-garden「読売新聞のweb版のお料理のコーナーにも出てもらったことがあるんですよ。」と紹介したのは頌栄幼稚園園長で、白井の幼なじみでもある阿部扶早先生。「市販のお惣菜を使って簡単に体にやさしくリメイクできる料理は仕事を持つ忙しい女性におすすめです。」と、焼いたアジをはさんだロールサンドやお刺身の残りをピカタにしたものなど、お弁当にも使えるリメイク術をご紹介しました。そして頌栄幼稚園のおかあさんたちの作った愛情たっぷりのお弁当がずらりと並んだおおきな写真パネルもご紹介。
頌栄幼稚園は創立120年の人気の高い幼稚園。「ウチの子たちは後で伸びると皆さんが言って下さるんです。」と阿部先生。小学校高学年になる頃にグッと伸びると評判の卒園生たち。その秘訣は毎日思いっきり遊ばせることだそう。そのためお庭のお手入れも3人体制で。「入園の面接では親子関係が構築できているかを重視しています。目に見えない子供の心の成長は、お母さんからたくさん愛されているかどうかが大きく影響します。」昔と今の子供の環境の違いを聞かれ「紙おむつは布おむつに比べると取り替える回数は約半分、その分親子のかかわりが減ります。おじいちゃんやおばあちゃんは一緒に生活することが無くなり、大切な知恵を授かる機会も減りました。例えば、家庭で目に見えないものに守られていることを教えられる機会がないんです。ウチはキリスト教系ですが特に宗旨に関係なく、園で飼育しているリスが亡くなれば、お墓を作り、お供えをしたりお花を飾ったり思い思いの方法でお参りをします。先日も先生から『そろそろ49日なんですけど・・・』と相談も(笑)。
もちろん昔より今のほうが良くなったこともたくさんありますよ。」とおっしゃいます。「お姑さんが遠慮しているご家庭が増えてお母さんにとっては子育てがしやすい環境ですが、色んな注意をしてくれるおせっかいなおばさんも減りましたね。いけないことはいけないと教えてくれる存在は大切。またヘルプをしてしまう親が増えています。親という字の成り立ちの通り見守り役で。」とも。
「近頃学級崩壊などと耳にしますが幼稚園ではどうですか?」との白井の質問には、「脳の構造の違いが原因と言われる『軽度発達障害』と呼ばれる子供が増えています。例えば難しい漢字は読めても自分の教室が分からないといったようなケース。今では全体の約6.3%といわれています。言葉の説明では分からなくても絵や数字なら分かるといったことも多く、園では個性として捉えています。いいところ見つけて認めてあげることで、どの子もぐんぐん伸びてきますから。」と答えられました。
「幼稚園は行事に追いかけられますよね」との言葉を受けて「行事は一つの節目と考えています。先日も国際ひなまつりを行いました。近くの外国の幼稚園を招いてみんなでひな祭りを祝います。行事というヤマを乗り越えることで子供たちは達成感や充実感を味わうことができます。運動会では玉入れの笛も子供たちが吹きます。出来る限り子供たちに任せるんです。当然本番での失敗もありますが、自分で何とかする子も多くて、子供の力のすばらしさに感動します。うまく自分で解決して、人からほめられることで、子供は階段をひとつ上るんです。」と熱く語る阿部先生。この運動会の様子は頌栄幼稚園のHPで見られるそうです。「ウチは先生も楽しんでいますよ。そうでないと子供たちも心から楽しめないですから。」と結んだ阿部先生。「楽しむことが大切って、日ごろの私の思いと同じね、ふふっ」と白井も楽しそう。ほんわかと女の友情がただよう和やかな会場でした。今回の試食は「温野菜のあったか白あえ風」でした。

西宮阪急「食のミニセミナー」一覧へ戻る