神戸ヴァッラータ 谷利一シェフをお招きして
2010/6/25
毎回「ご当選おめでとうございます」の言葉からはじまる美食トークショー。今回のゲストは西宮苦楽園にある一日一組限定のレストラン「神戸ヴァッラータ」の谷利一さん。
「トマトソースはまとめて作っておいて冷凍保存ができますよ」と紹介してくださったレシピは旬を感じる「太刀魚のソテー フレッシュトマトのソース」。「色の変わりやすいバジルはよく切れる包丁で引くように切ると色が変わりません」とおいしく綺麗に仕上げるための様々なコツを実演とともに分かりやすく教えてくださいました。
青いカタログでもおなじみ、神戸ヴァッラータのオリジナルピザセットはリピーターも多い人気の一品。白井がたずねます「ピザの生地は一回にどれぐらい作られますか?」「こねるのに力が要りますので1回に2kgぐらいですね。ピザにして40枚分ぐらいです。」今回の試食は焼きたてのこのピザを。「ご自宅でピザを焼くときはレンジのグリルが便利です。高温なので2分ぐらいで焼きあがります。」とおいしい食べ方のアドバイス。
イタリアでの修行は2年、旅行は何十回・・・。「三つ星レストランでも修行されたそうですね。」と白井。「三つ星は維持することの方が難しいんです。料理だけでなく、サービスも含めて、お客様に楽しんで頂けるよう細かい心配りが求められました。」「厳しかったですか?」「イタリアでは人を育てるときにあまり厳しくはしないですね。決まったやり方を求められることは日本より少ないです。ハサミをよく使うのには感心しました。」 特別な日のリストランテ、家庭の味のトラットリアと使い分けするほかは、日本はもちろん外国の料理を食べられる店もまだ少なく、街ではイタリア料理店が主流なのだとか。「イタリアの人はマンマの味、おふくろの味を愛しているんですね。」と感心する白井。「イタリアでは地方ごとにオリーブの農業組合のようなものがあり瓶の形が決まっています。安価なピュアオイルは焼き物に、香りがよくて酸味が少ないエキストラバージンオイルはサラダの香りづけやドレッシング、料理の仕上げにと使い分けています。製造元ごとに味が違います。バゲットにつけて食べ比べると良く分かります。価格も様々ですが好みのものを見つけるのが一番ですね。土地柄同様、一般に北イタリアのものはデリケートな味、南イタリアのものは強い味と言われますが、結局はみんな地元のものが好きなんです。オイルもワインも・・・」「なるほど地元愛が強いんですね。オリーブオイルには本当にメッセージがありますね」と白井もうなずきます。
セミナー終了後にもオリーブオイルの質問がたくさん寄せられ、お客様も深く興味をもたれたご様子でした。「店の料理も家の食事も全部一人でやってしまうんです」とおっしゃるのはソムリエでもある奥様。食を愛する谷さんの思いやこだわりが、地元の味・マンマの味を愛するイタリアの食文化と響きあうのかも知れません。毎日イタリア料理と真剣に向き合いながら「実は、白いご飯やみそ汁も大好きなんですよ。」と笑顔で話される谷さんの素朴な雰囲気がとても好ましく印象的でした。