「旬を追いかけて」
2010/7/12
「なんだかおかしいよね。あったかすぎるよね。」「なんだ!この寒さは。せっかくクリーニングに出したのに袋をあけるの勇気がいるね。雨が多すぎない?これじゃあ植物は育たないよ・・・。」そんな会話を交わしていた冬の終わりから春の始まりそして夏の初め。やはり今年は野菜や果物の生育が遅れ、中央市場の魚屋さんからも「山形から鰆が入ってびっくりしたよ。」とのお話が。瀬戸内の味覚・鰆は北上し、昼網でおなじみのイワシやベラ、川津エビなども獲れず、魚種が減っているのだそうです。人が海辺の自然を作り変えたことや、異常気象は海に棲む魚たちも敏感に感じ取っているのしょう。
神戸新聞で月2回連載している青空主義「うまいもんライブラリー/兵庫の素材行脚」の記事も予定していた撮影日が刻々と変わり編集委員の辻本さんと私のスケジュール帳は消したり書いたり、他との調整をしたりと大変です。でもこんな気候に負けず、なかなか赤くならなかったオランダトマトも時間をかけて、ちゃんと大きく赤くなってきました。梅雨の気配が伝わったのか明石のタコも淡路のウニも揃ってきました。このシリーズのおかげで兵庫県の奥へ特産品を追いかけています。食べものを扱う人と自然とのきびしい戦いを間近に感じ、それを乗り超えた皆さんの笑顔に学ぶことがたくさんあります。
*写真は「たっぷりスープのトマトマリネ」
7/14(水)の神戸新聞「うまいもんライブラリー/兵庫の素材行脚」でレシピをご紹介しています