白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

第14話 シクラメンの育て方

296zatsugaku第14話は「シクラメンの育て方」です。

さて、シクラメンの鉢植えを買ってきて家で育てている人は多いだろうけど、前回説明したように、鉢花のシクラメンは地中海の東部沿岸地域に生えている野生種を元に品種改良されているんだよ。ところで、誰でも失敗しない植物を育てる時の共通点は知っているかな? 
それは、その植物の原産地の気象条件と地理条件を調べて、それと同じ条件を人工的に作り上げることなんだ。分かり易く言うと、地球上のどのようなところで育っていたのか、つまり、暑いところなのか寒いところなのか、雨が多いのか少ないのか、四季があるのかないのか、日当たりがよいのか日陰なのか、平地か傾斜地か、砂地か湿地かなどなどを知り、それに近い環境を創ってあげることなんだよ。
さて、前回の出生の秘密では、シクラメンの原産地は地中海の周辺地域って説明したよね。じゃあ、地中海の周辺の気候って知ってるかな? 地中海の周辺は、専門的に言うと地中海性気候と言って、夏は高温で非常に雨が少なく、冬は温暖で雨が多いと言う気候なんだ。だから、そこの植物はその気象条件に適応して、雨の多い秋から春にかけて葉を開き花を咲かせるんだよ。そして、雨が少なくて暑い夏がやってくると、生長を止めてお休みしてしまうんだ。シクラメンもご多分に漏れず、本来は、秋のお彼岸頃から生長をはじめ、冬の間に葉を茂らせて、早春から花を咲かせ始めるんだ。そして、春も終わる頃になると葉を枯らせてしまい、球根だけになって暑くて乾燥した夏をやり過ごすんだ。
だから、日本の梅雨という高温で湿度が高く雨が多い環境はすごく苦手で、一晩にして息絶えることもあるのさ。土が湿っているのに葉がしおれているのは、まさにこの状態になってて、根から腐り始めているんだよ。
これで、シクラメンの育て方の基本が分かったかな? 秋から春までは、生長して花を咲かせる時期だから、肥料も水も必要だけど、初夏から秋のお彼岸頃までは、水も肥料も必要ないんだよ。その間はしっかりとお休みさせてあげなくちゃね。だから、梅雨入りまでは水やりを止めて、鉢ごと乾燥させて風通しの良い日陰に置いておくことだよ。今年はこれで完璧だね!!

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