第5回 秋の始まりとフクラギ
2021/9/8
東京から富山に移住して、改めて地方の食の豊かさや健康の大切さを学んでいます。富山暮らしで発見したこと、気がついたこと、クスッと笑えるネタになるようなことを徒然と語ります。
田原朋子(プロフィール)
子育てがひと段落したこともあり、30年間勤めた某公共放送系実用出版社を退社して富山県富山市にIターン。夫と猫と気楽なマンション暮らし。現在はフリーで、食と健康の編集企画・ライター業を営む。得意分野は実用もの。白井操先生には、テキストの編集や広告部での仕事でたくさんのご縁をいただいた。
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第5回 秋の始まりとフクラギ
朝5時、ふと目が覚めて東の方を見ると、立山連峰のシルエットがくっきりでした。あんまり素敵なので、近くの公園に散歩に出かけました。
富山の日の出は、二段構えです。あたりが明るくなって風が吹いてくる「日の出時刻」と、3000メートル級の山の上に顔を出す20分後。その瞬間、山全体に白い光が回ったと思うと、グングン角度を変えていって、白い光線は見えなくなるのです。
調子に乗ってアスレチック遊具の上に腰掛けていたのですが、ふと見下ろすと青い葉に隠れて、若い銀杏がたくさん成っていました。実りの季節には、いつも突然気付かされるものですね。
ところで、夏の終わりから刺身コーナーにでてくるのは、ブリの幼魚「フクラギ」です。富山では、ブリは一年中なんとなく見かけるのですが、春〜夏の「ツバイソ(コヅクラ)」からワンランク昇格したサイズがフクラギです。この時期はまだまだ脂もさっぱりして値段も手頃。味わいもブリとはだいぶ違います。ブリの呼び名は地方で異なるものですが、関東にいた時には「ハマチ」ぐらいしか区別されていなかったような気がします。こちらでは明確に区別されていて、そんなところからも富山のブリ愛を感じました。
日差しはまだまだキツいけれど、こんなところからも秋の始まりを実感しています。
▲フクラギのお刺身は、ブリよりもあっさりして旨味も強く、クセになる美味しさです。
▶店先では、コヅクラが400円くらい、フクラギが700円くらいで売られています。大きさ以外の違いはよくわからず。。。写真はコヅクラです。
◀富山の呉羽地区には梨農家さんが多く、「呉羽梨」のブランドで幸水や豊水などが出ています。9月には直売も盛んで、大小取り混ぜて1000円!
▶9月の後半には、山も完全に秋になります。写真は昨年撮影した室堂周辺のチングルマです(20200926)。