株式会社赤福 濱田典保社長をお招きして
2011/5/13
今日は株式会社赤福の濱田典保社長をゲストにお招きし、お話を伺いました。創業は約300年前の宝永4年(1707年)。その年は富士山が噴火し、社会不安が収まるよう神様にお願いしようと、お蔭参りと言われる伊勢神宮への参拝が盛んになったのだそうです。今でも伊勢街道はお餅街道と言われ、お伊勢参りの旅の疲れをいやす名物の甘味がたくさんあるそう。
「あの指の形が独特ですよね。」と白井。「箱の中にならぶ赤福餅は、五十鈴川の清流をイメージした意匠と栞などには書いていますが、餅で餡を包む方が食べやすいのに・・・と私もずっと思っていました。推測ですが、創業当時は作りおきなどが難しい、冷蔵庫などの無い時代ですから、短時間にお客様にサービスができるように、お寿司のようにお餅とあんこを握って出していたのではないかと」と、濱田社長。
赤福本店は365日休むことなく、毎朝5時に開店されるそう。濱田家の女性は毎朝4時に釜に火を入れるのが伝統なのだとか・・・。「すごいですね。」と白井も会場もびっくり。ご本人も出社後必ずお味見を。「お伊勢さんにお休みはありませんから・・・」と笑顔で。お父様から聞かされておられたのは「老舗は革新の連続」というお言葉。お参りが楽しくなるよう、また職人の腕を磨くために、約30年前に始めた「朔餅(ついたちもち)」。毎月一日に、月替わりの生菓子を販売され、人気に。「実は7月の竹ながし(竹筒羊羹)が一番人気なんです。8月の八朔餅は黒砂糖を使った明治以前の赤福の姿。これも是非味わっていただきたいですね。」ととっておき情報も。夏季には赤福氷も人気で、新しい挑戦や試行錯誤を日々続けておられます。
最後にこれからを聞かれ「社是は赤心慶福。赤心は無垢な心、真心という意味です。慶福は福を慶ぶで、参拝されたかたの幸福を慶ぶということから、心から参拝された方の幸福を慶ぶ、その精神をずっと忘れずに原点として持っていたいと思っています。実は赤福という社名もそこから来てるんですよ」。本店と同じ入れ方で丁寧に入れられたほうじ茶とともに、みんなで赤福餅を心から味わいました。
試食は野菜売り場のイチオシ、塩トマト。甘くて濃いトマトをそのままの味とめんつゆをかけたものとで、二通りのおいしさを。写真はめんつゆに刻んだトマトを・・・。これは今年の夏のそうめんつゆにぜひ!かつおと昆布に相性ピッタリ。時には新鮮な溶き卵や、ゆがいたモロヘイヤも添えて。