白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

神戸新聞社 論説委員 辻本一好さんをお招きして

2011/10/28 

228nishi-garden10月~11月のミニセミナーは、西宮阪急1Fの『ひょうご五国のめぐみ』フェアにちなみ、兵庫の食に関わりの深い方をゲストとしてお招きしています。今回は神戸新聞社論説委員の辻本一好さん。『五国豊穣 兵庫のうまいもん巡り』の制作にも深く関わられました。
「地域だけで作り続けられてきて、地元の人だけがそのおいしさを知っているといったような、世間にあまり知られていないものにも光をあててご紹介しました。」と辻本さん。「食べたい方と直接つながるよう生産者の方の問い合わせ先も載せています」と白井。取材の写真をモニターに映しながら、食材の話題へ。香りと味に昔ながらの風情を強く残すハリマ王にんにく。十割のそばが絶品の赤花そば、お漬物に合う宍粟三尺きゅうり。「その土地で古くから栽培され、種を取って来年また播いて、と受け継がれてきた在来種はどれも個性的。だからこそ大切にしたい」と語る辻本さん。中心の大きな親芋の周りにできる芋は土の重みで曲がり、その姿から名づいた姫路の海老芋。「今からが旬。キメが細かくて本当においしい。」と白井。神鍋高原の溶岩と湧き水が育むわさび、12本の糸と疑似餌で明石タコを釣る80歳の名人の芸術的な技、釣ってから出荷まで一切触らず出荷される沼島のアジ「どれも大変ながら丁寧な仕事に支えられています」よどみなく語られる辻本さんの知識の広さ・深さに驚きながら、熱心に耳を傾けられるお客様。まだまだ続く食材に込められた思いや数々の物語・・・ここでご紹介しきれないのが本当に残念です。 世界に名だたる神戸ビーフ。「自分が育った所に世界に誇れる食材があるのは幸せなこと。ステーキと言わず薄切り肉でいいんです。お皿に付け合せの野菜を準備して、『今から焼くよ』と子供たちに声をかけ、焼きたてを食べさせてあげて・・・。『これが神戸ビーフ!』という感動は一生ものです。」白井の言葉を受け「味覚は一生もの。子供のときに本物を食べるのは大切。」と辻本さん「今食べているものを次の世代にも食べつないで欲しい。地元のすばらしい食材は人から人へ伝わる智恵と技に守られてきたものだから。」と日頃の思いを。
「兵庫県の食材の幅広さに驚きました。」「わが町を見直すきっかけになった」と西宮阪急のフェアも手ごたえは上々。食卓からの応援はここからがスタートです。地元食材の魅力、生産者の方の思いに触れ、「兵庫に住んで良かった・・・」と感じるひととき。本日の試食は「播州百日鶏の塩焼き」、軽く山椒をふった「姫路のれんこんのフライパン焼き」、塩茹での「丹波黒大豆の枝豆」と兵庫の秋を感じる3品でした。
兵庫で頑張る若い生産者のいい仕事ぶりは、お歳暮カタログでも『明石のもみじ鯛』と『雅いちご』を取り上げご紹介しています。

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