白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

大塚食品株式会社 取締役副会長 戸部貞信さんをお迎えして

2012/11/30 

281nishi-garden今回のゲストは大塚食品株式会社 取締役副会長の戸部貞信さん。白井とはかれこれ30年の古いお付き合い。そもそもの始まりを振り返るところから始まりました。「最初の本を作ったのがきっかけで大塚製薬さんからお仕事の話をいただいたのは32~3歳の頃でした。試食をしてアドバイスをしたり、大学院を出て全く料理を知らない若者に色んな食材を伝えたり、社員教育のようなことから始まったように思います」。食品に強い戸部さんは様々なところで活躍されてきました。「ポカリも発売から30年。業界初の商品でした。水分の補給に電解質・食塩がいいのは分かっていたのですが、それだけでは味が悪かった。そのころ柑橘類の研究をしていて、柑橘系の味を加えてみるとおいしくなったんです。」とエピソードを。「ボンカレーはNASAの宇宙食にヒントを得てレトルトに。カロリーメイトは、元は流動食でした。卵の黄身を乾燥させる技術で今の固形に。病気で摂食しづらい方や運動で減量が必要な方などに『健全な栄養補給』をしていただきたいと開発されたものです。」世に送り出した新しい食品のスタイルは今ではすっかり私たちの生活に根付いたものばかり。「震災や山登りなど、もしもの時に『あることで安心』という存在でもありますね。」と白井も納得。
12月1日から阪急阪神百貨店で配布の「カラダにやさしいレシピ集vol.71」の中ではおすすめ商品として大塚食品のワイン『リッジ・リットンスプリングス』をご紹介。今回特別に白井がお願いして限定数を設けて掲載されたものです。カリフォルニアの固有種「ジンファンデル」を使い、巨匠といわれる醸造家ポール・ドレイパー氏の手で、天然の酵母で仕上げられたカリフォルニアワインは、その卓越性を世に知らしめた逸品。ワイナリーが売りに出された時、買収に際してはワイナリーのやり方には踏み込まないという条件で守られたのだそうです。
「豊かになった今、食品に求めらるものが『栄養』から、『バランス』に変わってきた」と言われる戸部さん。食べられることの幸せ、子供の頃に食べた里芋の煮っころがしの美味しさにふれ、「将来に希望が持てない若者が増えているということとも食は関わりがあるかもしれません」と憂いを。白井も「講習会でも絞り汁やささがきといった言葉が若い人に伝わらないことがあるんです。日々の暮らしから吸収してきた人とのつながりは、これからも大切にしたいですね」と深くうなずきました。
スポンサーをして下さっているレシピ集の表紙裏面でも紹介しているマンナンヒカリやジャワティーをはじめ、今回はたくさんの商品が詰まったお土産バックをご用意くださいました。希望者には植物性乳酸菌を使った飲むヨーグルト「ヤサイの戦士」も。
「生まれた土地の新米の味は美味しさの原点。こんにゃくを粒状にしたマンナンヒカリはお米に混ぜて炊いていただくと、お腹いっぱい食べてもカロリーは30%も抑えられ、食物繊維がたくさん摂れます。」戸部さんの語り口からは真摯な開発者の思いが常に伝わってきました。

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