白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

NHK神戸放送局局長 長﨑泰裕さんをお迎えして

2013/2/22 

305nishi-garden兵庫県域ではおなじみのNHK『ニュースKOBE発』では、『五国豊穣 兵庫のうまいもん巡り』の本と連動して、定期的に白井が地元の旬の食材のおいしい食べ方のアイデアをご紹介しています。今回はNHK神戸放送局の局長・長﨑泰裕さんをゲストにお迎えしました。神戸に来られる前はヨーローパ総局長としてヨーロッパ諸国の情勢を日本に伝えてこられた方。ヨーロッパでの食の体験を中心にお聞かせいただきました。
「日本ではあまりないことですが、パリでは、仕事の後、そのまま仕事場でちょっとしたおつまみを持ち寄り、ワインで気軽におしゃべりを楽しむというのが普通のことでした。」「素敵ですね。パリに長く住まわれて、ヨーロッパの方たちの食や暮らしの中におられたんですね。」ヨーロッパでは、家に人を招く時は、ご主人が料理を担当し、奥様がおしゃべりでもてなされることもよくあるのだそう。「カキにはこのワイン、この店のこの製法のチーズといった日常の食にも人それぞれに強いこだわりがあるんです」と長﨑さん。三ツ星レストランは本来特別な時に行くもの、話題の店だからと流されて行くことはしない、ワインを美味しく味わうため、ピクニックの時にもワイン用にガラスのグラスを持っていく・・・そんな決まりごとが自然と受け継がれ、食文化や老舗が守られてきたヨーロッパの豊かさ。「買う人が味を守るんですね。日本はつい便利な方へ・・・」と白井。
「でも日本食に対する関心は高い。パリのスーパーには寿司が普通に売られているんですよ。」今ではフレンチのシェフは日本食の基礎知識が求められる時代に。この昆布は利尻か礼文か、地酒の吟醸酒を手にこれに合う料理は何かとハイレベルな話題が交わされるのに触れ、食の大国フランスを感じたと長﨑さんは語られます。
今回の試食、黒豆のディップはゆがいた丹波黒を潰して、オリーブオイルやハーブと合わせたもの。「丹波黒とオリーブオイル、東西の本物どうしの出会いですね。」と白井。「ヨーロッパでは様々なおいしいオリーブオイルを楽しみました。しぼりたてのオリーブオイルはとても品の良い青い香りがします。炊きたてのご飯に卵の黄身とオリーブオイル、ヨーロッパで楽しんだ我が家の味です。醤油をちょっと垂らして・・・。」となんともおいしそう。
最後に夢を聞かれ「ヨーロッパと言っても、北と南では人も食べ物も全く違うんです。その中でなんとか一つになってやって行こうとしている。独自の成熟した社会があり、大人の魅力を感じます。そんな多彩なヨーロッパの姿を多くの人に伝えていけたらと思っています。」と素敵な声で話して下さった長﨑さん。お話からはヨーロッパの街角や食卓の気配が感じられ、すぐにでも旅に行きたい気持ちになりました。今回の試食は黒豆のディップに西宮阪急催事の長崎フェアから名産品を添えて。そしてしっかり乾かした生姜を使ったココアのあったかドリンクでした。

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