リストランテ ラッフィナート オーナーシェフ小阪歩武さんをお迎えして
2013/4/12
芦屋の「ラッフィナート」と言えば、予約がなかなか取れないイタリアンレストラン。今回はオーナーシェフの小阪歩武さんをゲストに。まずは試食の「甘い人参のスプーマ」の作り方から。「スプーマとはムースのことです。有機栽培の人参を使っていますが、特に甘いものを選んでいる訳ではなく、甘くするために、人参をコンベクションオーブンに2時間かけるんです」と小阪さん。水分が飛び、旨味と甘味が凝縮された人参は半分以下のサイズに。以前はフライパンを使いごく弱い火で4~5時間かけて炒めていたそう。これは家庭でも使える技で、乾きすぎないように水分を加えながら炒めるのがコツだとか。
手で人参の皮をむきながら「おいしさの中には手間が隠れているんです。」水分が多い芯の部分を取り除きピューレに。「ムダなようですが犠牲と割り切って。使わなかった部分も煮込み料理やまかないで必ず使います。食材を大切にしないのは料理人とは言えませんから。」作業の合間に料理への思いを。
2日間かけて作ったコンソメを硬めにゼラチンで固め、使う前に湯煎にかけ、ボールで冷やし硬さのタイミングをみられます。これはムースとコンソメと最後に添える生ウニを同じ食感に仕上げるための作業とお聞きし会場もプロの技にただただ感心。
「若いのにお店を4軒も持っておられるんですよ」と白井。「レストランは自分の目が届くようにしたいので、バールを芦屋の駅前に出しました。待ち合わせや食事の前後でも気軽に使えるイタリアのバールというスタイルを楽しんでいただきたくて」他にもフェスティバルホールと梅田のグランフロント大阪にジェラートとサンドウィッチ、コーヒーのバールを。「ジェラートはレストランの厨房で全て手作りしたもの。こちらも果物や素材にこだわっています」
良い食材を使い続けていれば、お客様は増えるはず・・・という信念はオープンから変わらず。今も朝6時半~7時には市場に出向き、全てご自身が吟味し食材を買われるそう。夜は12時半か13時に帰宅。「仕事が楽しいと思って働くので睡眠が少ないというストレスはないんですよ。」と笑顔で。
定休日は毎週趣味のサーフィンをしに高知県へ。家庭では4人の子供たちのお父さん。穏やかな物腰で話される小阪さんはたくさんの顔を持つ方。「成功されたのは何故だと思いますか」と尋ねる白井に「努力が一番ですね。人間は努力すればそこそこなんとかなると思うんです。だったら努力を重ねることが大切かと・・・。スタッフにもそう話しています。」と小阪さん。夢は一生料理人として仕事を続けていくことだそう。「簡単そうで難しいことですよね。」とおっしゃりながら眼差しが優しく輝いておられました。