講演会「秋の庭で学ぶ、身近な植物の素敵な力」開催しました。
2013/11/29
今回の講師は、白井のHP「へぇ~な雑学」コーナーで、さまざまな草花や身近な樹木にまつわる楽しい話題を執筆してくださっている兵庫県農業改良課課長の石田均さん。かつて県立淡路景観園芸学校で教えておられた石田さんに「食べられる植物、食べられない植物」というテーマで楽しく分かりやすくお話していただきました。
食料源として植物を考えると、植生を左右する地域の気候が食文化に大きな影響を与えることから話がはじまり、日本は植物の種類が約5500種と多いのに比べ、イギリスなどは700種と少ないため狩猟が発展、一般的に植物の種類の少ない地域の料理はおいしくないと言われることが多いという話題から、今日私たちが口にしている穀物や野菜のほとんどの原産地が日本ではなく色々な時代に伝わってきたこと、花を食べる食用菊のことや柏の由来が「炊ぐ(かしぐ)葉」であること、食べられる植物には名前に「菜」とつけた古人の知恵や、凶作の際に飢えをしのぐために役立てた救荒植物の話題、食べられる雑草と身近な園芸植物に含まれる毒の話、ジャガイモの芽以外にもインゲンマメやモロヘイヤなどにも有毒な部分があることなど、興味深い話題に、会場から「へぇ~」いう声が何度も上がっていました。
今回は時期が少し早くて自慢の紅葉を見ていただくことは出来ませんでしたが、みんなでお茶とお菓子を楽しんだ後に、ツワブキの黄色い花があちこちに咲くスタジオの庭を、自由に散策していただきました。庭にあるヒノキの抗菌効果やクスノキの樹形からおすすめの着生植物などについても教えていただき、最後はお客様からの園芸相談にもその場でどんどん答えて下さいました。
穏やかな秋の一日、命がけで食べられる植物を見分けてくれた先人の知恵と今の豊かな食卓に、あらためて感謝の気持ちを持つことができました。