株式会社小田垣商店 代表取締役 小田垣憲三さんをお迎えして
2014/1/24
黒豆・・・といえば小田垣商店。「ふっくら大きなおいしい豆」と日本中に知れわたる品質の良さから、お正月の黒豆はこちらのものと決めておられる方も多いはず。本日は代表取締役の小田垣憲三さんをお招きしました。
収穫まで通常は75日とされているところ、100日かけて収穫される黒豆。豆の完熟を待って収穫し、畑でしっかり熟成させ、さらに人の手で丁寧に選り分ける、時間と手間をたっぷりかけて最高品質の黒豆に仕上げておられます。「丹波黒は収穫が極端に遅いので、12月早々に新豆をお店へ並べていただく為には無理な収穫をしなければなりません。そこで、百貨店や量販店様へは、昨年産でゆっくりとていねいに収穫された品質の良い黒豆をお奨めしています。」と小田垣社長。「今は保存技術が非常に発達していますので、十分にふっくら美味しく召し上がっていただけます。実は新豆が一般に出回るのは今。黒豆の一番おいしい時期です。」
本日の試食はレンジで軽く炒った黒豆とほぐした梅干でレンジで手軽にできる「梅干入り黒豆おこわ」。黒豆の色素が梅の酸と反応してもち米がピンクに染まります。また、ゆがいた黒豆を、レンジ加熱したササミ、オリーブオイルなどとフードプロセッサーにかけるだけの「黒豆のディップ」は体にやさしいバターのようなコクのある味わい。ドンクの焼きたてバケットにのせて。「ディップには今日のお土産、蒸し黒豆の『丹波黒黒豆ドライパック』をそのまま使えます。うすい塩味もついているのでとても便利。黒豆のゆで汁は喉を守ってくれるので、ラジオの収録にも持っていきます。」白井から黒豆をいつもの食卓で楽しむアイデアを。
黒豆以外にも様々な豆を扱われる小田垣商店。「大玉錦白大豆」は古くから丹波で守り伝えられた在来種。「味の良い品種ですが生産性が良くないため地元で作られなくなってしまって、今は滋賀県で作ってもらっています」。有名な在来種の「丹波大納言小豆」もまた京都の老舗菓子匠や全国の一流菓子職人に愛される最高品質の小豆。小田垣家ではよくぜんざいを炊かれるとか。「少しぐらいの割れはおいしさの元。炊いてから2日目ぐらいがおいしくなります。」とやさしい笑顔で教えてくださったのは奥様の和子さん。
会場のお客様も豆好きな方が多く小田垣社長にもたくさんの質問が。保存方法については「輸入大豆で水分量は12%程度。黒豆は16~18%と水分が多いため、カビが来やすいので冷蔵庫での保存をおすすめします。また豆は呼吸をしています。常温では呼吸が始まってしまい、その分弱ってしまいます。低温で寝かせることが大切。小豆なども冷蔵を。」と小田垣社長。
最後にこれからをお尋ねすると「お正月だけでなく、おいしい豆をたくさん食べていただいて、そのことがまた地域の活性化につながればと思います。」と謙虚なお言葉を。お客様だけでなく生産者や地域のことまでも大切にされてこられた真摯な姿勢は、創業から約280年、時代をこえて変わらず受け継がれていることが、私たちにもしっかり伝わってきました。
黒豆の試食二品に加え、この日から西宮阪急で取り扱いが始まった、長崎・琴海堂の「和三盆カステラ」も味わっていただきました。(文:土田)