白井操クッキングスタジオ

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西宮阪急「食のミニセミナー」

農業生産法人阪急泉南グリーンファーム 取締役社長 大島一夫さんをお迎えして

2014/2/28 

394nishi-garden鮮魚売場のおすすめ「たけのこメバル」と呼ばれる旬のメバルを3枚におろしカリッと焼いて、たっぷりのベビーリーフとトマトでマリネに。ゆでた豚肉はごぼうをリーフレタスと和えておかずサラダに。「コクを出すのはタンパク質。魚や肉のうまみと野菜に、酢・オイル・塩・こしょうでサラダに。ドレッシングの中のトマトはグルタミン酸のうまみがおいしさを広げます。」と白井。今回の試食はナチュラルセラーに並ぶ有機野菜をつかった二品を。色の美しい葉野菜とトマトは泉南市にある阪急泉南グリーンファームから。今回は社長の大島一夫さんにお越しいただきました。生で食べることの多い葉物野菜を中心にハウスを使って有機栽培されています。
会場で紹介された現場の写真には、農場の日々の作業を一緒にこなされる大島社長の姿も。こだわりの土作りに始まり、ふかふかの土を使いハウスで大切に育てられる葉物は、摘み取りからすべて手作業。「冬は冷たくて辛い作業。湯を入れたバケツにかじかんだ手を浸しながら、夏場は暑いので1時間おきに休憩を入れながら行っています。微生物が育む良い土を使ってハウスで栽培すると、アミノ酸をしっかり吸って、味わいのある柔らかい葉に育ちます」。
阪急百貨店の食品担当だった大島社長は35歳で新規事業として阪急泉南グリーンファームの立ち上げを任されたそう。「家族を残して農場近くに単身で住み、近くの農家の人たちに教えを乞いながら、全くの素人からの挑戦でした。」今では72才の女性から、元美容師、農業高校の卒業生などスタッフも43名に。安心安全は志を共にする人々の地道な努力が支えています。
お土産として丹精こめて作られた、リーフレタス、ベビーリーフ、トマトをセットでご用意くださいました。「いつものきんぴらに水菜を和えたり、前の夜の肉豆腐の残ったお汁に酢や調味料を入れて我が家のドレッシングを作ってサラダに。魚を油で焼いてトマトやアサリのおいしさと共に煮るアクアパッツァなどの仕上げにベビーリーフをトッピングしても。」と家庭でおいしく食べるコツを白井から。お客様からも「トマトが甘くて美味しくでびっくり」「次の世代にも安心な野菜を食べてもらえるのが嬉しい」「農場見学にいってみたい」とのたくさんの嬉しいお言葉を。
「今年で10年経ちました。若い世代に引き継いでも、これまで目指してきた野菜作りがこの思いと共にこの先も長く続いて欲しいと願っています。そのためにも、性別や経歴にかかわらず、ヤル気のある人が報われるような職場でありたいと思っています。」大島社長の誠実な人柄が、言葉のひとつひとつから、そして野菜のおいしさから伝わる温かいひとときとなりました。(文:土田)

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