白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

株式会社神戸ポートピアホテル 代表取締役社長 中内 仁さんをお迎えして

2014/4/25 

410nishi-garden今回のゲストは神戸ポートピアホテルの中内仁社長。ホテルマンらしい爽やかな笑顔と立ち姿でまずは自らホテルのご紹介を。白井とのご縁の始まりはここで開かれた食文化フォーラムで。1702席を誇る国際会議場も備え、2012年のホテル部門において国際会議は東京を抑えて日本一多く開催されたそうです。最上階のフレンチレストランは長年アラン・シャペルとして愛され、今はリヨンにある2つ星レストラン「ラ メール ブラジイエ」のマチュヴィアネ氏と日本人料理長の佐々木康二シェフが支える「トランテアン」としてリニューアル。「リヨンはフランスの中でも食の都。ラ メール ブランジイエはポール・ボキューズが修行したお店としても知られています。」佐々木シェフは本場のフレンチの技法を駆使して地元の旬の食材を使い、シンプルに素材の良さを引き出すのが持ち味。「例えば、本店であんこうを使う料理はウチでは淡路のとらふぐを使います」。
オープンの時、アラン・シャペルさんを招いたのは?」と白井。「神戸に最高級のものをという思いですね。リヨンで最初に訪ねたのは実はポール・ボキューズ。でもその日は休みだったので、それじゃアラン・シャペルに行こうとなり、犬を散歩させていた人に道を訪ねたら、その人がアラン・シャペルさんだったんです。不思議な出会いでしょ。地図を見た彼に「何故ウチに②と書いてあるのか」と問われ慌てたそうですよ。」と今では笑えるエピソードも。
ホテルマンから大切にされるお客様の条件を尋ねると「お客様に育てて頂いているのは私たちの方」と前置きされて、「ホテルマンを一人の人として見てくださっていることが伝わると嬉しいですね。お声がけに『こんにちは』と返してくださったり、『美味しかった』『あなたに会いたかった』という言葉は何よりの励みになります」。
32才で社長になられた中内さん。お父様である中内力さんに良く言われたのは「網は広く張れ」「いいものを見よ」という言葉。「怖い存在でしたね。柔道も強くて・・・。『他にも色々話したぞ』と今も言っているような気がします」と笑顔で。夢はアジアのリーディングホテル。「日本に行くなら神戸のポートピアホテルに行きたいとアジアの方から言われるようになりたいですね。地元では食事ならあのホテルにと言われるよう、お客様と共に歩みたいと思っています。」と地元神戸への思いも。会場には、ご本人やご家族が結婚式を挙げましたという方も多く「若い頃アラン・シャペルで食べた料理が忘れられなくて・・・」という会場の声には「シェフの佐々木は変わらずずっとおりますので、ご希望をお聞かせ下されば、同じものを今でもお出しできますよ」と嬉しいお返事。
お土産にはホテル特製の「アップルパイ」を。「久しぶりにホテルに食事に行きたくなった」「一度泊まってみたい」とアンケートにたくさん書かれていたのは、ポートピアホテルの心地よい時間と空間が、中内さんの言葉やたたずまいから会場のお客様にも伝わっていたからかも知れません。(文:土田)

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