白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

第42話 彼岸花のなぜ? その2「なぜ、葉が秋に出るの?」

439zatsugakuヒガンバナもそうなんだけど、球根類というのは、一年のうちに高温や低温、極端に乾燥する期間があるなど、植物が生育するのに相応しくない期間をじっと耐えるために、地下に球根という養水分を貯蔵するための組織をつくることで、他の植物が生育できないようなところでも生きていくことができるんだ。これが球根類が他の植物との熾烈な生存競争を勝ち残っていくための生き残り戦略なんだぞ。

さて、日本が属する東アジアは、温帯モンスーン気候と言って、気温の変化が大きいけれど、一年を通じて温暖で湿潤だから、植物にとっては天国のような環境なんだよ。だから、非常に多くの種類の植物が生育しており、その生存競争は熾烈極まりないんだぞ! ヒガンバナのような背の低い(せいぜい30cm程度)植物は、他の植物が旺盛に生育する春から秋にかけては、背の高い植物の陰になって、十分に太陽の光を受けられないんだよ。そこで、ヒガンバナは他の植物が葉を落とす冬に目をつけて、その間に葉を出せば、日光を独り占めできることに気がついたんだな、賢いねえ。
初秋に花を咲かせ、その後に葉を出して、邪魔者のいない冬の間は十分な日光を浴びてせっせと光合成に励んで養分を球根に蓄えていく。そして春を迎え暖かくなり、周りの植物たちが生育を始める頃には、葉を枯らして十分に蓄えた養分を使って,地下の球根内で来たるべき秋に花を咲かせる準備に勤しむんだ。
どうだい、ヒガンバナも生存競争を生き残るために、色々と考えてるってこと、分かってもらえたかな!?

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