白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

東洋ナッツ食品株式会社 中島洋人社長をお招きして

2010/1/22 

b130nishi-garden日本で初めてナッツのローストを始められた東洋ナッツ食品㈱の中島洋人社長をお迎えしました。この日は阪神大震災から15年目の1月17日をむかえてまもない22日、神戸を拠点とする会社だけに、自然と震災の時の話題に・・・。「周りの会社より早く震災後1週間で出荷を再開しました」と中島社長。「社員にとって会社があることが支えになる」と創業者でお父様でもある先代社長には強い思いがあったそうです。「父はお腹の中にいるときに関東大震災を経験し、その震災で自分の父を亡くし、苦労の人生でした。ですから地震なんかに負けないという気持ちが強く、病身をおして指揮をとっていました。」震災という大きな危機を乗り越えて、翌年社長を引き継がれた中島社長。
会場のモニタには桜に似た愛らしいアーモンドの花。「アーモンドはカリフォルニアから輸入しています。春、花が咲く頃にはアメリカ中の7割のハチが集まって受粉をします。」とモニタに次々写真を写しながらナッツの栽培の様子を紹介。またインドやインドネシアで収穫される、パプリカのような赤い実の下にできるカシューナッツの不思議な姿には会場もびっくり。おいしいナッツをお届けするためにも、安定供給するためにも、きちんと木育てをする農園と取引することが重要とおっしゃいます。「現地でたくさんのアーモンドの畑を見ているうちに、「かわいがって大切に育てられた畑だな」とか「厳しくしつけられた畑だな」と木を見て農園の個性まで分かるようになりました。大切にされた木は気候条件が厳しい年でも、ちゃんと実をつけてくれます。」そんな農園の努力への感謝をこめて、ナッツの持つおいしさを最大限に引き出すローストを心がけていらっしゃるそうです。 そこで会場では①~⑦の番号がついたアーモンドとカシューナッツの食べ比べを。それぞれローストの方法が違うのだそう。油で揚げるオイルローストと熱風を使ったドライロースト、蒸し焼き風のドライロースト・・・、なるほど確かに味も香りも違うのがよく分かります。ローストと風味の深い関わりを実感しました。「ビタミンEやミネラルが豊富なアーモンド。料理に使いやすいのは無塩のもの。ナッツ肉みそやカシューナッツご飯に。これは栗のような食感がおいしいですよ。今日味わった無塩ナッツのおいしさ、ナチュラルなものの味をもっと子供たちにも知ってもらいたいですね」と白井。最近ナッツは給食でも人気とか。青いお中元カタログでも人気だった収穫期に限定してつくられるドライプルーンもジャスミンティーとともにいただきました。どちらもナチュラルセラーでどうぞ。
今年も3月20日(土)21日(日)の両日、恒例のアーモンドフェスティバルが開催されます。アーモンドの花が満開の会社を開放し、アーモンドのきな粉もちやローストしたてのアーモンドの販売、工場見学や模擬店、会場は毎年たくさんの人で賑わうそうです。「阪神間では有名なイベントになりました。みなさんおいでください。」気さくな物腰の中に熱さを秘めた中島社長は終始笑顔で語られました。

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