お宝をつないで
2011/9/21
やっと本ができました。おかげで好評です。兵庫県に住み、豊かな食材に恵まれた中で暮らしていることにあらためて感謝しています。そして、このお宝ともいう資源がどうぞ次の世代にもつながりますようにと心から祈ります。
本の中にも書きましたが、ヨーロッパ、中でもイタリアのトスカーナやフランスのプロヴァンスなど、その地ならではの暮らしぶりや受けつがれた文化が新たな産業を生み出しています。県内をあちこち訪ね、つくづくその地ならではの特産品の多さ、食文化の層の厚さにおどろきました。生産を担うのは、若い方たちもたくさんいらっしゃいますが、多くの方が高齢です。作る人と消費する人が支えあってはじめてその仕事を続けていこうという若者が地域に残るのです。
子供たちに本物を食べさせてあげたい。おいしいといわれている特産品の味を知らせたいと思います。例えば、一年に一回でもいい。ステーキじゃなくて薄切り肉一枚ずつでもいい。家族分のお皿が準備でき、あらかじめ付け合わせの季節が盛られ、そこに十分あっためたフライパンに神戸ビーフが次々ジュージュー焼かれ、軽く塩こしょう・・・醤油もおいしい・・・、「ハイハイ行くよぉ~、アツアツよぉ~」と焼きたてをお皿に。部屋中に広がる神戸ビーフの香りは他の牛肉と違います。「わぁ!おいしい。」口の中に鼻の奥に溶けるように入っていく感動を・・・ぜひ。たくさんじゃなくていいんです。きっと子供たちはこのパフォーマンスを一生忘れないでしょう。大人になって世界に出ていった時、自分の育った町の名前がついている牛肉があることを・・・。おいしいお宝をつないでいくバトンを渡すのは私たち大人から。
地元の野菜、肉、魚のおいしさを知っている人になって欲しいと心から願います。