マイスター工房八千代 施設長藤原たか子さんをお招きして
2011/11/11
今回のゲストは兵庫県多可郡多可町八千代地区にある「マイスター工房八千代」の施設長藤原たか子さん。数年前、神戸新聞の辻本さんから「すごい人がいる!」とご紹介いただいた白井「人口6000人の町で、1500本の巻き寿司を毎日完売されるんです。30人のスタッフは、都市圏の人口に換算すると7000人を雇用されていることに匹敵するんだそうです」とマイスター工房のすごさを。「使われなくなった農協の建物を町にお願いして加工施設に改装していただいたのが10年前・・・。レストランもないような田舎で、何かおいしいものがあるコンビニのような店にしたいと始めました。新聞に『農村コンビニ誕生』と取り上げていただいたのをきっかけに、来店されるお客様には、まずは食べていただこうと常に試食を準備しました。それからは口コミで・・・」と藤原さん。評判が評判を呼んで、今では毎朝5時から行列ができ、整理券を配り10人づつ入店をお願いするほどの盛況ぶり。 藤原さんが「山里のイメージで作りました」といわれる天船巻寿司は、焼きアナゴのような味付けのオリジナルの卵焼き、高野豆腐、かんぴょう、しいたけ、きゅうりは太く1/2本と具だくさん。少なめのご飯でふんわりと巻かれた太い巻き寿司です。もちろん本日の試食に。「巻き寿司なのに、のどに詰まる感じがなくて食べやすい。」「具ひとつひとつがおいしい」と会場からも評判。「具は濃い目に味をつけていますので、きゅうりが最後に口に入るように食べていただくとさっぱりしてよりおいしいと思います。」と藤原さんからアドバイス。「お寿司一つ一つに作られた方の判が押されているのも驚きました」と白井。「この方が巻いたものを・・・と指名買いされる方も多いんです。巻き寿司は毎日抜き打ち検査をして、品質を確かめます。お客様の気持ちを第一に、初心を忘れないように、みんな心をこめて作っています。思いはお客様に通じると思いますから。」と藤原さん。あるスタッフは朝4時に出勤して2時間勤務、6時に帰宅して、子供たちを送り出してから、また8時に出勤される・・・といったように、家庭を守りながら仕事ができるよう、それぞれの家族構成を配慮してシフトを組まれるそう。地域には無かった、女性が働きながら活躍できる場所を提供したり、年間40~45t買い付けるお米をはじめ、海苔やきゅうり、しいたけといった地元食材を大量に使用することなど、マイスター工房が地元にもたらす有形無形の貢献は図り知れません。
「先日審査員として参加した巻き寿司コンテストや、巻き寿司イベント、多可郡周辺にできた巻き寿司街道など、藤原さんの巻き寿司から始まって育っていったものがたくさんありますね。」と白井。これからを聞かれ「空いているたんぼや畑を利用した「マイスター農園」を作って、手作りした食材を使えるようになりたいですね。地元に残る若い男の子もスタッフとして一緒に歩み始めました。彼らの活躍の場にもなればいいなと思っているんです。」と藤原さん。夢を語る言葉に力を感じました。