エム・シーシー食品株式会社 代表取締役社長 水垣 宏隆さんをお迎えして
2014/8/8
今回は神戸のクッキングソースの専門メーカー、エム・シーシー食品株式会社の水垣宏隆社長をゲストにお招きしました。料理人から長年支持される業務用を中心に、カレーやデミグラスソース、スープなどでおなじみの方も多いはず。
「今朝売り場で見つけて、絶対買って帰ろうと思いました」と白井が感動したのは『冷製コンソメジュレスープ』。「本格的なコンソメジュレはお金と時間がかかって家庭ではなかなか作れない。今が旬の剣先イカに切り目を入れてさっと湯通ししすぐに冷水に取り、枝豆やオクラなど緑のものを添えて、ジュレをかければ、家で簡単にレストランの雰囲気を楽しめますね」「実はこれは原価が合わない商品で、自分の思いで品揃えしたものなんです」と水垣社長。「創業者であった父は第二次大戦前から世界を回って、そこで出会った料理のすばらしさを日本にも広めたいと語り、私に食の大事さ、尊さを教えてくれました。」経営よりもおいしさを一番に追求されるその姿勢は先代のお考えそのまま。
最初の試食は秋に発売予定の「白いミネストローネ」にドンクのバゲットを添えて。「ミネストローネは具の多いスープのこと。イタリアではトマトが入っていないものもよく見かけます。今日はパンをスープに入れて食べるリボリータにしました。トマト味のミネストローネに使うホールトマトはイタリアから。欧米はトマトを調味料のように使ってきた食文化があります。この旨味とコクが必要なんです。」おいしく仕上げるために食材選びからこだわりを。
初めて手がけられたドレッシングも調理感のあるものをと、酸味や旨味を抑えて、合わせる野菜などの素材の味を引き立てる作り方をされているそう。ソテーしたホタテとゆで
たアスパラにソースのようにバジルドレッシングをかけ試食に。「魚の切り身や鶏肉を焼いたものを一口サイズに切ってソースとしてかけても」と白井。
パスタにぴったりのジェノベーゼソースは今日はバケットで。「バジルはすべて兵庫県産です。」と水垣社長。バジルの国産化に取り組み、数年前から色・香り・風味に優れる路地にこだわり龍野で栽培されています。収穫期、朝採りバジルをすぐペースト状にして冷凍したものをドレッシングやソースに。「生バジルを使っているところはほとんどないと思います。地域の食材を使って、地域の農業と共に歩むことも大切にしたいと思ってきました。」
毎回、水垣社長自ら開発チームに入り、最後の味はご自身の舌で決断されるのだそう。「人間の絆、関係は胃袋を通して深まると思うんです。『おいしいね』で人はつながります」と終始笑顔で丁寧な言葉でお話くださった水垣社長。
最後に「会社を大きくすることが目的ではありません。豊かな食生活をどう支援できるかということが大切。この味を守り、お客様の期待に応えていくこと、期待を超える新たな提案をしていける会社でありたいと思っています。」女性が大勢を占める会場でパワーを感じたと言われ、若い人や女性の力をもっと生かしたいとお話くださいました。消費者として応援したくなる誠実な会社と出会えた、素晴らしいひとときになりました。(文:土田)