第1話 チョウチョウと食育
保田茂先生は、神戸大学名誉教授で兵庫県”ひょうご「農」担当参与”でいらっしゃいます。「食」担当参与の私とは参与つながりでご一緒する機会が何かと多く、そこでの何気ない会話の中に、へぇ~と感心する話がいっぱいあるんです。皆さんにも是非聞いてもらいたくてひとつのコーナーを作ってしまいました。
第1話は「チョウチョウと食育」、操と保田先生のホコっとしたちょっといい話、お楽しみくださいね。(写真はスタジオの庭に飛んできたモンシロチョウ)
春ですねー、ウチのスタジオにもモンシロチョウやモンキチョウがたくさん飛んできます。
モンシロチョウのお母さんはキャベツの葉の裏に卵を産むけど、子供(アオムシ)に食べ方を教えることはありません。なのに子供はキャベツの葉を食べて大きくなり、親になったら、またキャベツの葉に卵を産むんですよ。モンシロチョウに、食育はないけど、食べ方は代々変わらへんのです。多分、遺伝情報が伝わっているからでしょうね。私たち人間も、自分のおばあちゃんやお母さんが食べてきた、その土地のお米や菜っぱや豆をちゃんと選んでたくさん子供に食べさせないと、変な子供ができてしまうかもわかりませんよ。
へぇ~。
モンシロチョウはキャベツのほかにアブラナ科(ダイコン科)の植物にも卵を産むけど、アゲハなんかは柑橘系の木やクセの強い山椒の木を選んで葉の裏に卵を産むんですよ。
そういえば、ウチにはアゲハもよく飛んでいます。本当によく見かけます。山椒の木があるからなんですね。
そうそう、クスノキもありますよね?
あります。あります。
アオスジアゲハはクスノキの葉の裏に卵を産むんです。兵庫県にはクスノキが多いから(注:クスノキは兵庫県の県木です)、アオスジアゲハも多いんですよね。
へぇ~。
春になって古い葉が落ちて、若い柔らかい葉がたくさん出てくると、幼虫のえさがたくさん出来る計算になります。白井さんとこのクスノキにも、多分、アオスジアゲハの卵が見つかると思いますよ。
へぇ~!