白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

セミナーレポート 2018.4.27 神戸フィルムオフィス 代表 松下麻理さん

2018/4/29 

「テレビや映画で、身近な場所が舞台だとなんだか嬉しくて特別な感じがしますよね」と白井が紹介したのは、神戸フィルムオフィスの代表 松下麻理さん。「映画やドラマのロケ地として神戸を誘致し、支援することで、街の活性化を目指すのが主な仕事です。」震災後の神戸を元気にしたいと神戸市と協力して初代代表の田中まこさんが2000年に設立。フィルムコミッションの草分け的な存在として多くの作品を神戸に誘致してこられ、松下さんが二代目の代表に。

「最近私が担当したのが『海賊と呼ばれた男』。ほかにも『デスノート』『鋼の錬金術師』など神戸でたくさんの映画が製作されています。観光地ではない何気ない街角や工場街なども紹介します。神戸はおしゃれな街並みだけでなく下町あり坂あり山あり海あり田園風景ありと多彩で、皆さん喜んで下さるんです」と松下さん。「私のスタジオの近くの旧乾邸もよく総理官邸として使われていますよ。リンカーンのような車が停まっていたり・・・。忘れた頃に放送があるんですよね」。話が弾む中、話題は昨年の朝ドラ『べっぴんさん』に。
「神戸が舞台ということで、神戸の街はもちろん、神戸の文化や人も紹介したいという思いがありました。靴屋さんを演じた市村正親さんが吹替なしですべて自分で演じたいとのことで和田岬の靴屋さんをご紹介しました。職人さんの仕事ぶりを一日じっと観察して、帰る前には職人さんが驚くほどの手つきを習得されたそうです」。劇中のかわいい服や刺繍はファミリアのOBの方や長田の神戸マイスターのテーラーさんが手掛けるなど、多くの方々を紹介されたそう。

人気の「ブラタモリ」は、神戸に着いて北野町でハイスタート!と司会のお二人に何も知らされないまま番組が始まり、案内人の問いかけに答えながら番組が進行する・・・という他にないロケなのだそう。「ほとんど全部がアドリブ。タモリさんの知識の深さに驚かされます。タモリさん!と声を掛けられると『こんにちは』と気さくに返され、まさに自然体で街に溶け込まれます」。
ロケ地になることでお弁当、ホテル、警備、機材など経済効果が生まれるだけでなく、ドラマや映画を見た方がロケ地に興味を持ってもらえることも大きな喜びと松下さん。「カメラ越しの街並みはいつも見ている以上に素敵で、ますます神戸が好きになります。」「へぇ~。私たちが知らない神戸の素敵を教えて。」「30分ほどで行ける六甲山。山頂の年間平均気温は北海道南部と同じくらい涼しいんです。自然も豊かでモリアオガエルの卵からオタマジャクシが池に生まれ落ちてイモリがそれをパクっと食べる光景が見られたり、ワンコインでハンモックを借りて、摩耶山の空の近さに感動したり。AAランクの水質を誇るアジュール舞子は人口浜にも関わらず、6月の満月の日にはクサフグが波打ち際をめがけて一斉に産卵に訪れます。昔、外国客船の修理に入った船大工が船内で洋家具を見て、日本の暮らしに合わせて作り始めた神戸家具も外国の文化をうまく取り入れてきた神戸ならではのもの。フルーツフラワーパークに近い大沢では毎年夏にどろんこバレー大会が開かれムシロで作った優勝旗を目指し、人口千人の街に千人の人が集い、大いに盛り上がります」。多彩な神戸の魅力を発信する松下さん、そのお話ぶりがなんとも心地よく、お人柄も物腰も素敵な方。会場から「これからも神戸の素敵を伝えてください」と嬉しいメッセージがたくさん寄せられました。

試食は白井のおすすめコーナーから長崎・琴海堂のカステラと京都・炭火おかき処とくとみのおかき2種を。                      (文:土田)

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