白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

セミナーレポート UCC上島珈琲株式会社 代表取締役会長 上島達司さん

2014/10/17 

14.10.10UCC①
今回はUCC上島珈琲株式会社、会長の上島達司さんにお越しいただきました。「最近のコーヒーブームで、昨年はコーヒーの輸入量は過去最高でした。」南北回帰線内の暑いところでしか作れないコーヒー豆。生産量では、機械収穫で効率よく栽培されるブラジルに続き、人件費が安いベトナム、インドネシアと続くそうです。山岳地帯が多い中南米の国では、赤く色づいた実だけを収穫し品質の高いスペシャリティーコーヒーが主流に。
大阪万博の前年、初めてUCCが缶コーヒーを世に送り出した第一の波、スターバックスという第二の波を経て、機械で一杯ずつ抽出するコンビニのカウンターコーヒーといったレギュラーコーヒーの味が見直される第三の波が来ていると言われます。「今話題のアメリカのブルーボトル。カウンターにサイフォンを並べてコーヒーを入れるスタイルは、日本の喫茶店のそのものだなと感じました。文化は行き来しながら進化する。戦略とセンスはアメリカ、日本は独自路線。コーヒーのワイン化とも言われる、ブルーマウンテン・ハワイコナ・ブルボンポワントゥといった希少なプレミアムコーヒーをはじめ、良質なコーヒーの8割をネットオークションで落とすのは日本。世界で一番いいコーヒーを飲んでいると言えます。」代々コーヒーにたずさわってこられた上島会長が日本のコーヒー文化のクオリティーに太鼓判を押されます。
 さらに「コーヒーの味は入れ方と気持ちで本当においしくなります」と言われ、紹介されたのはUCCコーヒーアカデミーの中平さん。「人気の個別包装のドリップタイプ。カップに吊り下げるタイプは160mlのお湯を一気に注ぎ4分で誰でも失敗なくできます。カップに載せるタイプはドリップと同じく、粉の2倍を目安に蒸らしのお湯を注ぎ20秒待って、残りのお湯を入れます。残りのお湯を数回に分けて、1円玉大の円を描くように注ぐとよりおいしく仕上がりますよ。」と美しい所作で。

14.10.10UCC②試飲
今回試飲にご用意いただいたのは2種のコーヒーとレモンピールとカカオの苦味の強いチョコ。「酸味が強いコーヒーを一口飲んでいただいた後で、レモンピールを食べていただき、もう一度コーヒーを飲むと今度は甘味が感じられると思います。酸味が打ち消されコーヒーに元々あった味わいが引き出され深みが増します。同様にストロングコーヒーと苦いチョコの組合せでも、まろやかになり甘味を感じていただけます」中平さんの言葉に会場も納得。これをフードペアリングというのだそう。コーヒーとスイーツを選ぶ時に、似た味を持つものを組み合わせることでより深みある味わいを楽しめる素敵な技を体験させていただきました。
コーヒー好きなお客様も多く会場の質問も活発に。お湯は沸騰後泡がおさまる92~96℃を目安に、軟水を使用するとコーヒー成分がよく溶けます。開封後は冷凍保存を、などなどここでご紹介しきれないのが残念。
「さっき西宮阪急のUCC売り場で、『いつもの』とおっしゃるお客様とあ・うんの呼吸の店員さんを見て、こちらのコーヒーが誰かの生活に寄り添いリズムをつくっているんだなぁと感じました」と白井。
コーヒーを心と舌でゆっくり味わったひとときでした。(文:土田)

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