白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

お正月飾りのウラジロ

師走に入り、みんなも何となく慌ただしくなってきた頃かな。今年もいよいよ年末が近づいてきたね。みんなもそうだろうけど年を重ねると、一年の早いこと早いこと。ちょっと前まで、暑い暑いと言っていたのにねぇ。

ところで、みんなはもうお正月飾りの準備をしているんだろうね。えっ、そんなのしていないって!? そうか、最近は、門松は勿論のこと、お正月飾りや鏡餅さえも飾らなくなった家庭が多いんだね。日本の伝統的な行事の地位がだんだんと低くなっていくのは、なんだか寂しい気がするね。
お正月飾りのウラジロ①お正月飾り(注連飾り) お正月飾り(注連飾り)

さて、お正月飾りは注連飾り(しめかざり)とも言うけど、これは、各家庭がお正月に迎える歳神を祀るための依り代とするもので、その形状は、神社等で飾られる注連縄(しめなわ)にいろいろな飾りを付けたもので、邪気を払い神域を示す紙垂(しで)をはじめ、子孫の連続を象徴するダイダイの実、誠実・清廉潔白を象徴するウラジロの葉などを使うことが多いんだよ。
お正月飾りのウラジロ②ウラジロの葉 ウラジロの葉

このウラジロだけど、シダの仲間ってことくらいは知っているよね。呼んで名の通り葉の裏側が白いことから、ウラジロという名前が付けられたんだけど、
これが自生しているところを見たことのある人は結構少ないんじゃないかな。
お正月飾りのウラジロ③ウラジロの群落 ウラジロの群落

ウラジロは、西南日本に自生するウラジロ科に属するシダで、地下茎が地中を這い回り、大きな群落を作るんだ。葉柄は硬くて滑らかで、1年目には地下茎から真っすぐに立ち上がり、先端に渦巻き状の芽が一対出る。これが120°位の角度を持って左右に葉を広げ、広げきるとやや水平から先端が垂れ下がるようになる。この葉はそれぞれがシダの葉らしい形をしていて、両側に1枚ずつ広がっているものだから、お正月飾りに使うのはもってこいだったのさ。そのうえ、葉の裏面は粉を吹いてほぼ真っ白だから、清廉潔白の象徴や、夫婦ともに白髪まで、などにたとえられて使われてきたみたいなんだよ。
お正月飾りのウラジロ④ウラジロの葉裏 ウラジロの葉裏

二年目以降には、前年に出た二枚の葉の付け根の中央部分から葉柄をさらに上に延ばし、その先端から新たに二枚の葉が出る。このようにして毎年葉を延ばし、葉の段が積み上がって行くんだ。
お正月飾りのウラジロ⑤ウラジロの新芽 ウラジロの新芽

ただし、日本本土ではせいぜい三段くらいで終わるみたいだけどね。実は、この地上から上に伸びた葉柄と、段になって付く2枚ずつの葉を全部をまとめて一枚の葉なんだぞ。沖縄では、二枚の葉の左右の広がりが3mを超えるものもあるくらいなんだ。どうだい、想像できないくらい大きくなるんだぞ。

最後に一言、ウラジロを飾る場合は、色の白い葉の裏側を表にして飾ることを忘れないようにな!

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