白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

ままごと遊びに使う白粉(おしろい)の正体は?

みんながまだご幼少の頃、ままごと遊びをしたことがあるよね。そこで、お母さん役の女の子がお化粧をするときに、白粉(おしろい)として使っていたのが、オシロイバナ(白粉花)。えっ、そんなの使ったことがないって!? あれっ、ちょっと年代を間違えたかな? でも、江戸時代には、本当に白粉の代用として使っていたんだぞ。だから、オシロイバナっていう名前になったんだ。
ままごと遊びに使う白粉花①オシロイバナ オシロイバナ
さて、このオシロイバナ、庭や公園に植栽されていることもあるけど、そこから逃げ出して、街中の空き地などあちこちらで野生化しているよね。近年は温暖化で冬の最低気温が高くなってきたので、冬を越す株が増えてきて多年草となってきているんだ。我が輩も子供の頃には、花を摘んでその根元にある密をよく吸ったもんだよ。
ままごと遊びに使う白粉花②多様なオシロイバナの花色 多様なオシロイバナの花色
オシロイバナの花は、突然変異が起きやすくて、一株にいろいろな色の花が咲くんだ。ところで、このラッパ状の花だけど、実はこれは花弁ではなくて萼なんだぞ。どうだい、知らなかっただろう? そして萼に見えるのは総苞という部分なんだ。花が終わればこの萼の根元部分が大きくなり、中の種子を包んで真っ黒な果実になるんだけど、みんなはこれを種子と勘違いしているんだな。あの黒い種に見えるものは、実は果実だったんだぞ。これも知らなかっただろう?
ままごと遊びに使う白粉花③オシロイバナの種(黒い部分で実は果実) オシロイバナの種(黒い部分で実は果実)
さあ、一見種に見えるオシロイバナの果実、これを二つに割ってみると、中心部に白い粉末状のものがあるんだ。これは、種子の一部で胚乳という部分なんだ。ここには発芽に必要な栄養分を蓄えていて、他には、柿や枇杷の種の乳白色の部分もこの胚乳という部分なのさ。オシロイバナの種子の胚乳は粉末状なので、子供たちはそれを白粉に見立ててままごとで使っていたんだね。ところが、ここでちょっと注意してほしいことがあるんだけど、根や種子にトリゴネリンと言うアルカロイドを含んでいて、誤って食べてしまうと嘔吐、腹痛、激しい下痢を起こすから、決して口にするんじゃないぞ!
ままごと遊びに使う白粉花④種子の中の胚乳(白い粉状) 種子の中の胚乳(白い粉状)

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