これは花弁?、萼弁?、それとも苞?(その①)
これまでも我が輩の話の中で、花びらだと思っていたら萼だったとか、苞だったとかっていうのが何度か出てきたことを覚えてるかな。今回は、この辺の話をあらためて勉強してもらおうと思ってな。
さて、この話をする前に、まず、植物の基本をしっかりと復習してもらおうかな。植物の体はすべて、葉と茎と根の3つの部分からできているんだ。こういうと、すぐに、じゃあ、花はどうなの?っていう質問がすぐに飛んでくるんだな。まあまあ、そんなに慌てなさんな。
花の構造
では、その質問から答えるとするかな。一見して見るからに葉、茎、根以外の部分というのは、実はこの3つのどれかが形や色を変化させているだけなんだぞ。この中で、最も変化が大きくて、かつその種類が多いのが葉なんだ。
では、その変化の種類を書き出してみると、
葉:花弁、萼弁、雄しべ、雌しべ、子房、苞、巻きひげ、吸盤、刺など
茎:刺、蔓、ランナー、塊茎、球茎、根茎など
根:気根、呼吸根、支柱根、板根など
どうだい、茎や根が変化したものは、何となくそれらしいものばかりだけど、葉が変化したものは、雄しべや雌しべ巻きひげに吸盤、さらには刺など、その形からは想像も付かないものもあるだろう?
さらにもっと言えば、花は花柄以外はすべて葉が変化したものってことさ。だから花を構成している各部分のことを、専門用語で花葉(かよう)って言うんだぞ。さあ、それでは実際の変化を写真で見てみようか。
ヤブガラシの巻きひげ(葉が変化)
ツタの吸盤(葉が変化)
サボテンの刺(葉が変化)
バラの刺(茎の表皮が変化)
イチゴのランナー(茎が変化)
グラジオラスの球茎(茎が変化)
ショウガの根茎(茎が変化)
ラクウショウの呼吸根(根が変化)
支柱根(根が変化)
板根(根が変化)
いろいろに変化した葉や茎や根を見てきたけど、どうだい、なかなかの変身ぶりだろう?
じゃあ、続きは次回、葉が変化した花がさらに変化していく実態を見てみようか。