白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

セミナーレポート 2017.2.24 白井さんの料理講習会

2017/3/1 

「まだまだ冷たい海の中でわかめはこんな風に潮にゆられているんですよ。」生のわかめを広げてお見せすると会場からも「わぁ!と歓声が上がります。本来はわかめの根元にあるヒラヒラのめかぶが良く見えるように上下はあえてさかさに。今回は春にちなんだ料理をご紹介。「今しか食べられない新わかめや生のめかぶ。いたみやすくて手間がかかるめかぶが毎年ここで買えるのが嬉しいですね。お安いのも魅力。胞子を作るめかぶはフコイダンがたっぷり。加工品ではなくそのままの栄養と味わいを・・・」。熱湯でゆがききれいな緑色になっためかぶをブレンダーなどで細かくきざみ、醤油、かつお節、生玉子などをお好みで。長芋や刺身をトッピングしても。

「25年前小豆島の余島で撮影したんですよ」白井の自著「記念日クッキング」の1ページから。ピクニックの一コマには大きなブールパンをくりぬいたサンドイッチ、カップに入ったちらし寿司・・・。「当時はこのカップがなかなか手に入らなくて。甘辛く炊いたしいたけ、お揚げ、ちりめん、えび、玉子焼きなど、具の色や取り合わせも楽しんで。昆布じめや酢じめの魚や貝を載せるとさらに豪華に。」
今回の試食は桜色のでんぶ。「普通は鯛とか鱈が多いと思いますが今回はさごしを使いました。身にねばりがあって9年間のセミナーで作るのに一番苦労した試食です」と笑いながら。骨や血合いをとって塩水でゆがき、皮を除き、フードプロセッサーに。なければ手でつぶしてからすり鉢にあてて。「酒・砂糖・塩を加えて、厚手の鍋でお箸で混ぜながら水分を飛ばします。色粉は水で薄めてほんの少しだけ加えて・・・。この後もう一度すり鉢にあてると色ムラなくきれいに仕上がります。」でんぶがあればちらし寿司や、ゆがいた新キャベツ・豆などに散らすだけで春気分。

「フキは板ずりをしてゆでて皮をむいて、朝出かける前に味をつけただしに漬けて出かけます。帰る頃には味が染みて、歯ごたえもシャキシャキ」。「はまぐりは立ててコロンと倒れた下側に身がついています。貝殻で小さなコキールも楽しめますよ。豆腐、生わかめ、セリなどと吸い物にも。」「あさりは砂出しが大切。保冷剤を敷いたバットに塩水とアサリをいれ、新聞紙をかぶせて暗く静かにおいて。あさりなど貝の煮汁は旨みが強いので取っておいて、バター少々、マッシュルーム、エビをレンジにかけたものに合わせてバターライスにも。貝の煮汁は必ず茶こしでこして砂を除いて」。次々と写真をモニターで見ていただきながら、皆さん熱心にメモをとられます。
「この時期はお刺身のけんの代わりにわかめがおすすめ。もし生のわさびが新鮮だったりお買い得だったら買ってみて。その日は一番おいしい葉の下のところを食べて、残りを全部すりおろして小分けにして冷凍を。葉っぱがついた根元を水につけておくと、次々と新しい葉が出てきて、ちょっとしたあしらいにとても便利。ぜひお試しを。」
「市販のでんぶしか食べたことがなかった。手作りのでんぶのおいしさに感動。自分でも作ってみたい。」「海の中のわかめの様子を初めて知りました。めがぶ買ってみます。」「今夜はちらしを作ろうと思ってました。一度カップに盛り付けてみます。」と嬉しいお言葉がたくさん。春はもうすぐ。一足お先に春をあじわうワクワクがいっぱい詰まったセミナーとなりました。(文:土田)

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