白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

白井のエッセイ

NO.16 神戸市立フルーツフラワーパークへ

神戸で生まれ神戸で育ちました。
大好きな街、神戸の仕事が出来る幸せに感謝します。
神戸市立フルーツフラワーパーク。私も知らなかったんです。
10年近く前に一度行ったきりでした。久しぶりに訪れて「ハッ」としました。とにかく広い。すごい開放感。泊まってびっくりしました。網戸があるんです。ヨーロッパのオーベルジュのように白い網戸が。
そこから見える夕日やぶどう畑の景色はどれ程心を安らがせてくれたことでしょう。
有馬の湯と同じ鉄色の天然温泉が露天で楽しめることも知りませんでした。
今年10周年を迎えたフルーツフラワーパーク。素敵な所も「ありゃっ!」と思う所も一杯あるけれど、私、大好きな神戸のために、少し頑張ってみます。
フルーツフラワーパークは花の村。今、チューリップが春を演じてくれています。食べていただきたいのは、洋と和の料理長が一つのお弁当の中で出会ったハイカラ弁当。
そして パンの中に和のお惣菜がたっぷり入った和風さんどいっち。
カスピ海ヨーグルトのゼリーに果物をたっぷりあしらったデザート。手作り焼き菓子などなど。 フルーツフラワーパークが変わります。これからまだまだ変わります。どうぞ、花の村に遊びに来てください。

平成15年4月21日


NO.17 ある日の電車の中で

雨の合間の週末、電車の中の出来事です。
家族連れの4人が乗ってきました。2~3歳の坊やを連れたお父さんとお母さん。
そしてちょっと足許が不安なおじいちゃんたちです。
 「どうぞ」と席をすすめると、まずおじいちゃんが座られました。
次に周辺の人がお母さんと坊やに席を譲ろうと立ち上がった時、お母さんが「あぁ、すみません。立ってても平気なんですよ」と。
でも、その人も引っ込みがつかなくて「どうぞ、どうぞ、まぁそう言わずに。坊や、お母さんと話しながらいってね。」
「はい。じゃありがとうございました。こうちゃん声が小さいよ。ありがとうは大きな声で!」と促がします。・・・とここまではよくある光景です。
次は大阪ぁ~という車内アナウンスを受けて、小さな彼が言いました。
「大阪に行くとトイレはあるの?」
「えーこうちゃん、皆で京都に行くんだよ。えー!トイレに行きたいの。大阪で降りないんだよ」お母さんは焦りました。・・・と小さな彼が一言、「我慢するより仕方がないなぁ」ハハハハ・・・。彼の周辺の人たちが笑い出し、急にみんな知り合いのような気分になりました。
新快速はトイレがあると教えられお父さんとトイレを探しに出かけた彼の後姿に何か素敵なプレゼントをもらったような車内になったのです 。
そして、大事なことを言葉に表すお母さんのしつけに何故かホッとしました。

平成15年5月19日


NO.18 「みさを茶屋」

見ていただきました? 
今月から始まったアシスタントさんたちのページ。
私も楽しみなんですよ、実は。
 白井 操クッキングスタジオの仕事って自分でいうのも照れるのですがおもしろいんですよ。いろんな仕事があって。
 東京のように雑誌やテレビの仕事がわんさかという訳ではないので、かえって分野が多岐にわたっているのかもしれませんね。
年間何冊か本を出して、企業のアドバイスをしたり行政の仕事や講習会や料理教室を主宰しているって書いたら「ワッ!すごいやり手!」ってことになるのでしょうが、それがそうならないのがアシスタントさん曰く「みさを茶屋」のせいです。
 お仕事の打ち合わせがお昼にかかるようなら「ご飯召し上がります?」「おやつ用意してありますよ。ちょっとお腹のすき間あけてきてくださいね」って言ってしまうんですよ。すぐに、私・・・・・。
だから、お金持ちになれないんだな、これが・・・・・。
でも、食べる仕事なのですものね。
 アシスタントさんの作るマーマレードの香りが届きます?
あなたにも・・・・・。
楽しい仕事にしたいんです。
アシスタントさんたちの大切な青春を借りているんですから。

平成15年6月3日


NO.19 コシノアヤコさん90歳のお誕生日おめでとうございます。

日々大忙しの服飾デザイナー、コシノアヤコさんの90歳のお誕生日を祝う会がありました。
 6月15日(日)ジャストその日です。
会場のホテルの舞台には階段が設置され、タキシード姿の男性がビシッ!と座っています。所々に羽織袴姿の男性が景色を盛り上げ、お母ちゃんを守る黒い壁の様。
壮観です。案内状に書かれていた、当日は星の数ほどいる綾子さんのボーイフレンドの中から特別に選ばれた90人が駆けつけることになっています。とはこのことでした。
舞台の中央に90歳のお母ちゃん。そしてその姿を祝い見守る観客およそ900名。
結局、元気をもらったのはここに集まったご本人より年下のお祝いにかけつけた人達。
「今までの人生は自分のことを一番に考えた生き方でした。これからは人のことも考え、人のために生きていきたいと思います。次は、100歳のお祝いの時に又、お会いしましょう。本日はありがとうございました。」
カッコイイ!!
話されるリズム、ハリ、つや。まわりを気遣う思いやり、そのすべてが生涯青春。まさに生き方のままでした。

平成15年6月18日


NO.20 旬のおいしさをビールと共に。

「わぁーいビールだビールだ。」
「ま、とりあえずビールといきますか。」
「我慢してたんですよ。このひと時のために、ノドの渇くのもこらえて。」
など、ビールを前にした時の周辺の皆さんの一言です。
そして皆同じように声を揃えて
「乾杯! あぁ~ ふぅ~!」
ビールの役割って大きいですね。
 ところで私が一番おいしい!と思うビールのひと口、それは、夏なら水なすの糠漬けです。
樽の中から水なすを取り出す。
洗って指先で2つ3つに割き、時にはほんの少しの醤油をつけてガブリ!ビールが旬を知らせてくれます。
そりゃあ鶏の唐揚げもビールとの相性は抜群ですが、枝豆やそら豆のゆがいたもの、春先の蕗の葉の天ぷらもいいですよ。
これからの季節、立ったまま湯がきたてのタコを切りながらお行儀悪いと気にしつつまずひと口。
料理の楽しさとはこんな所にあるのかもしれません。
 7月1日からキリンビール関西のホームページとリンクさせていただいています。
ビールに合う料理を色々ご紹介しています。ぜひご覧になってくださいね。
 そして、時には皆さんとどこかに集まって乾杯!なんていうのもいいですね。
ご一緒しましょう。旬のおいしさをビールと共に。

平成15年6月30日