白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

杜鵑と杜鵑草(ホトトギスとホトトギス)

ホトトギスという言葉を聞いて、みんなは何を思い浮かべるのかな?
夏が近づく頃に「テッペンカケタカ」って甲高い声で鳴くホトトギス(杜鵑)?、それとも秋も深まってきた頃に林床にひっそりと咲くホトトギス(杜鵑草)?
さあ、今回は後者のホトトギス、そう、山草として有名なホトトギスの話をしようか。
杜鵑と杜鵑草①ホトトギス ホトトギス

さて、山草のホトトギスはどうして鳥のホトトギスの同じ名前が付けられているか知っているかい? これは結構よく知られていて、ホトトギスの花びらにある紫色の斑点模様が、鳥のホトトギスの胸にある紫色の模様に似ているところから付けられたんだ。えっ、鳥のホトトギスを見たことがないって!?
そうだな、声は良く聞くけど、姿を見たことのある人は少ないかもな。じゃあ、写真を載っけておくからよく見てごらん。どうだい、同じような模様だろう?
杜撰と杜鵑草⑥ホトトギス ホトトギス
山草のホトトギスは、世界に約20種類しかなくて、全部が東アジアに分布し、12種が日本に自生しているんだよ。そう、日本はホトトギスの一大産地なんだ!
その中でも、3種類が花も名前もよく似ていて、間違われることが多いので、その見分け方を伝授しておこうか。
その3種類っていうのが、ホトトギスとヤマホトトギスとヤマジノホトトギスなんだ。えっ、もう名前だけでこんがらがっちゃうって? さて、この3種類の花の一番大きな違いは、花びらの開き方なんだ。写真を見てもらえば一目瞭然だけど、ホトトギスは半開状態で、ヤマホトトギスは全開状態で反り返っているよね。そしてヤマジノホトトギスは平開状態だよね。花の模様なんかは個体差が大きいので、これさえ押さえておけば、まず間違いなく区別できるよ。みんなはどの花形が好きかな?僕は花びらがピンとまっすぐ横に張っているヤマジノホトトギスが好みなんだけどな。
杜鵑と杜鵑草②ヤマホトトギズ ヤマホトトギス
杜鵑と杜鵑草③ヤマジノホトトギス ヤマジノホトトギス
ホトトギスの花は白地に紫色の斑点模様ってイメージが強いけど、それだけではなくて、黄色い花を咲かせるグループがいるんだよ。キバナノホトトギスって言うのがその代表選手なんだけど、全般的に黄色い花を付けるものは、山奥か高山地帯に生えているので、近くの里山ではお目に掛かりにくいかな。特に、急峻な斜面に生えているジョウロウホトトギスなどは、始めから立ち上がることはしないで、垂れ下がることを旨としているんだ。
杜鵑と杜鵑草④キバナホトトギス キバナノホトトギス
杜鵑と杜鵑草⑤ジョウロウホトトギス ジョウロウホトトギス

さあ、10月はホトトギスの花が咲く季節、さあ、山歩きをしてホトトギスの花を探してみよう!

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