白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

辛夷と田虫葉

さて、またまた漢字の読み問題だけど、このタイトルの漢字熟語を読める人はいるかい? 前者は読める人が結構いるようだね、そう、コブシと読むよね。じゃあ、後者は? これは読み方は難しくなくて、漢字をそのまま読めば良いんだけど・・・、そう、タムシバと読むんだよ。
じゃあ、コブシとタムシバって何だい? あれっ? タムシバが分からないって? まあ、普通はそうだろうな。 コブシはみんなも良く知っているとおり、早春に白い花を咲かせる花木で、庭木や街路樹にもよく使われているよね。
 コブシ

じゃあ、タムシバは? タムシバも早春にコブシとそっくりの白い花を付ける花木なんだけど、まず庭木として植えている人はいないだろうな。でも、みんなはこのタムシバをよく知っているはずなんだけどねぇ。
神戸や阪神間に住んでいる人なら、春先ソメイヨシノの咲くちょっと前に六甲山地を見ると、そこここに枝先に白い花をたくさん付けている落葉樹が点々と山腹にあるのを見つけることができるんだけど・・・、見たことないかなぁ、遠目でも良く目立っているぞ。実は、これこそがタムシバなんだぞ。この木をコブシだと思っている人が結構いるんだよね。でも、六甲山地にはコブシは自生していないからね。
 六甲山地のタムシバ

さて、コブシっていう名前はどうして付いたか分かるかな? 実はコブシの花が終わった後にできる果実の形から来ているんだよ。コブシの果実を知っている人は? ありゃ、花は知っていても実を知らない人が多いみたいだね。
 コブシの果実
写真のようなボコボコとして膨らみのある果実を、人の手の拳に見立てた訳なんだ。拳に似ているからコブシって言う名前になったんだけど、全くそのままだね。秋には、この拳状の果実の表面が割れて朱赤の種子が顔をのぞかせるのさ。
 果実が熟して顔を出した種子

じゃあ、もう一方のタムシバはどうしてこんな名前になったのかって? タムシバとは、もともと「噛む柴(カムシバ)」と呼ばれていて、葉を噛むと甘い味がするためにこの名前がついたんだ。それが次第に訛っていき、「タムシバ」となったと言われているんだ(もちろん、漢字は後で当てたんだけどな)。
花だけ見ると、コブシも、タムシバも大変よく似ているけど、決定的な違いがあるから、それを覚えておくと知ったかぶりして自慢できるぞ。その決定的な違いとは、花の下に葉が一枚付いているのがコブシで、葉が全くないのがタムシバなんだ。良~く覚えておくんだね
 コブシの花(花の下に葉が1枚)
 タムシバの花(花の下に葉がない)

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