白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

操の「へぇ~!」な雑学

ムッシュ・フルーリ花探検 第8話ルドベキア

「ムッシュ・フルーリの花探検 in フラワーセンター」
吾輩、ムッシュ・フルーリは、実は、 何を隠そう兵庫県立フラワーセンターという植物園の園長なんだ! 今回からは、我がフラワーセンターが誇る4,500種類にも及ぶ膨大な植物コレクションの中から、 その季節ごとに咲くとっておきの一品を紹介していくぞ!  栽培が難しくて国内では滅多に見ることのできない花、 形が奇妙で花らしくない花、普段何気なく目にしているけど、実はこんな変わった性質がある花、 そして世界中でフラワーセンターでしか見ることのできない植物などなど、次々と興味深い花たちを紹介していくから、楽しみにな!

【参加募集中】ムッシュ・フルーリと夏の花探検!
兵庫県立フラワーセンターでは、ムッシュ・フルーリ園長の植物セミナーが毎月開催されています。思わず「へぇ~!」と言ってしまう、とっておきの話題がいっぱい。
フラワーセンターのお花とムッシュ・フルーリに会いに行きませんか?
(参加の皆様には会場で操さんのレシピプレゼントもあります。)
『ムッシュ・フルーリの「へぇ~!」な雑学』開催日程            
8/17(土)、9/14(土)、10/12(土)
(すべて13:30~。ご参加には予約が必要です。)
●予約・お問い合わせは
TEL:0790-47-1182(兵庫県立フラワーセンター)

第8話 ルドベキア

全国で大量の雨を降らせた梅雨も終わり、本格的な夏がやってきたね。
さて、みんなは夏の花といえば、何を思い浮かべるかな? ヒマワリ、アサガオ、マリーゴールド、サルビア、ジニア、カンナ、ビンカ・・・次々といろいろと出てきたけど、数ある夏の花のなかでも、花壇に使い勝手の良いルドベキアという夏の花について、話をするとするかな。

もちろんみんなは、ルドベキアって知ってるよね。えっ、ひょっとして、グロリオサデージーって言えばわかるのかな? 40~50年前は、確かにそう呼んでいたよな。当時は、ルドベキアの中でも1年草タイプのヒルタ(R. hirta)という原種を改良した園芸品種しかなかったから、グロリオサデージー=ルドベキアで良かったんだけど、今や、多年草タイプの園芸品種が数多く育成されていて、とてもグロリオサデージーって言う名前では収拾がつかなくなっているんだ。ということで、最近は、これらを一まとめにしてその属名となっているルドベキア(Rudbeckia)って呼ばれてるんだよ。

グロリオサ・デージー              プレーリー・サン

じゃあ、たくさんある種類の話からしてみようか。キク科のルドベキア属は、北米に20種ほどが自生していて、ほとんどが多年草なんじゃが、最初に園芸化されたのが、花が非常に大きいヒルタ種(R. hirta)だったんだけど、これが短命(2~3年の寿命)の多年草だったので、これを基にして改良されたものを春播き一年草として扱ってたんだな。だから、なんだか一年草のイメージが強かったみたいだな。で、この園芸品種群がグロリオサデージーって呼ばれて、園芸店で種が売られていたんだな。もちろん今でも、グロリオサデージーって呼ばれることもあるけど、若い人は知らないかもね。この種類以外は、多年草(宿根草)なので、苗を買って植えることになるな。

マヤ               ブラック・アイド・スーザン

多年草のグループでは、数多くの原種を基に多種多様な園芸品種が育成されていて、矮性のものから高性のもの、大輪から小輪まで、植える場所に応じていろいろなタイプが選べるので、花壇にはもってこいの花だよね。
しかも、ルドベキアの最大の長所は、暑さ寒さに強く、大変丈夫で初心者でも栽培しやすいってことなんだ。だから、みんなの花壇にもっと使った方がいいぞ。ただし、日当たりの悪いところはダメなんだな。少なくとも半日は日が当たる場所でないと花が咲かなくなるぞ。
 チェリー・ブランデー

ルドベキアを栽培する上で、注意しておくことが一つあるんじゃ。実は、ルドベキアの中で、オオハンゴンソウと呼ばれているラキニアータ種(R. laciniata)は、外来生物法により「特定外来生物」に指定されていて、許可なく栽培したり、保管、運搬、輸入、譲渡することが禁止されているから気を付けるんだぞ。オオハンゴンソウは、北日本や中部日本の高地では広く自然繁殖しており、在来植物の生態系に悪影響を及ぼす恐れがあるんだ。だから、綺麗だからって、不用意に種や株を持って帰るんじゃないぞ! 十分気を付けてな!
<特定外来生物に指定されているオオハンゴンソウ(栽培・保管・運搬・譲渡など禁止)>

オオハンゴンソウの草姿     オオハンゴンソウの花

 操の「へぇ~!」
ルドベキアっていうんですね。よく見かけます。地方に行くと列車の窓から見える畑の花、畑に咲く花ってイメージがあります。その横にダリヤやカンナ、タチアオイも。ボンカレーや蚊取線香の広告と一緒になつかしい旅の思い出として心に残っています。花ってすごい。その横を飛んでいた茶色の蝶も一緒によみがえってきました。

 「ルドベキア」を見に行こう!!
「兵庫県立フラワーセンター」のHPはこちら>

ムッシュ・フルーリは白井にとって緑の知恵袋のような存在。バックナンバー「ムッシュ・フルーリ緑の扉」にも植物の知りたいコトが満載です。

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