白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

NO.13 震災10年神戸からの発信 自立支援プログラム

ことの始まりは厚生労働省の広報誌のインタビュー記事でした。広報室長の質問に答える形でした。

「白井さん、男性に料理を教えられる時、特に気をつけておられることは何ですか」の問いに、

「女性の方より理屈が通ると理解が早いので、質問には作業の理由を言葉で説明する時間を多くとるようにしています。私は神戸市の生涯学習教育機関のシルバーカレッジ食文化で教えて10年になるのですが、今から5年程前から、3年間の学びを終えられる直前に誰かに料理が教えられるようにとレシピの書き方や実際に習っていただけるモデルを作って教え方を伝えています。人に教えると、ご自分の作られる料理も急に上手になられるんですよ。そして言葉もやさしくなられるのです。」

やがてインタビューが終り雑談の中で、近頃はシルバーカレッジの卒業生が一般の市民の料理1年生に教える講座を毎年春に定期的に広報で募集して教えているんですよ。男性の老後の自立支援にも役に立つということで。

来年は1月17日の阪神淡路の大地震から10年。その後自宅に引きこもりがちな方に料理を通してゴミの出し方や買いものの仕方なんかも教えてあげられたらと思うのです。それも男性から男性にね。

料理が上手になったらおかずのおすそ分けをして1杯どうですか。なんて素敵ですよね。

「白井さん、おもしろいよそれ、応援しますよ。これは高齢者の自立支援のためのプログラムとしていいですよ」・・・・と始まったのが今回のイベントなのです。


~ 震災10年 神戸からの発信 ~
来年1月で阪神淡路大震災から10年。たくさんの方々からいただいた暖かい心のおかげで神戸はここまで元気になりました。大変な経験の中から感じ取ったもの、見えたもの、10年という期間を経てわかったこと。
今度は私たちから感謝の気持ちをこめて発信します。

次の誰かの幸せのエネルギーになることを願って。

厳しい現実の中からいち早く立ち直った方々のエネルギーの源は何だったのか? 振り返ってみたときに、食の自立ができているということがキーワードのひとつになっていたのではないかと感じます。食べるという基本的なことが多くの会話やコミュニケーションを生み、自分や周りの人をも元気にするのです。今回私たちは、危機を乗り越えるというテーマを食という視点で捉え、2つの取り組みを行います。

◆「~あの時役立った~災害時対応アイデア料理コンテスト」

震災時の限られた食材の利用方法、調理の工夫を想定した災害時対応アイデア料理コンテストを行い、その中から優れたメニューを表彰し、全国へ発信する。

作品をHP(12月後半アップ予定)やメニュー集として危機管理に身近に役立てられるように発表予定。

◆ ~生活力アップセミナー~

震災10年記念事業の中で、高齢者の介護、援護の問題について介護予防事業の裾野を広げる取り組みの一つとして、閉じこもりがちな男性高齢者や、料理の初心者を対象とした生活力アップセミナーを開催します。

神戸市シルバーカレッジ卒業のボランティアメンバーが講師役として参加し、男性が男性に教えるというスタイルをとり、料理教室を通じて「食」」から生活への関心を高め、地域での交流を広げ自立をすすめる。

*生活力アップセミナーに関しては、生徒募集は締め切りました。講習会の内容や様子は追ってご報告させていただく予定です。

NO.14 キリン関西のHPの企画より

キリン関西のホームページの中の私のお手伝いさせていただいているページの仕事が今おもしろいです。スタッフとの息も益々ぴったりの2年目。

現場の楽しさが伝わってくる写真になっているでしょう。

野並君という新人ちゃんを応援しつつ神戸の素敵な味を紹介。

有名シェフを我がスタジオにお迎えし料理のおもしろさやレストランの裏話、営業マンとしての心得を伝えてもらおうという欲張りな企画なのです。

ここで全部書いてしまうと肝心のキリン関西のホームページの鮮度が落ちるといけないのでほどほどに・・・。是非ご覧になって下さいね。

この間撮影させていただいたのは神戸の中華街、昌園のオーナーシェフ黄 棟和さん。

実は私もここの料理は大好き。人柄のままの丁寧な仕事をされる方です。

ご紹介下さったのは豚まんで有名な老祥記の曹 英生さん。お店は老祥記の新しいお店、曹家包子館のお隣です。

今回はチンゲン菜をとびきりおいしく料理して下さいました。
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NO.15 神戸市と韓国の済州道、友好親善協定

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神戸市国際観光コンベンション協会と韓国の済州道観光協会の友好親善協定の調印式が6月1日神戸市の相楽園で行われました。

李会長は阪神・淡路大震災直後、神戸市にボランティアを派遣するなど救援活動を展開。神戸をアピールする「神戸大使」の料理評論家、白井操さんと親しいこともあり、同市が白井さんを通して友好親善協定の締結を申し入れていた。

今後は観光ホームページの相互リンクや出版物による観光情報の発信、観光交流事業などを進めていく。

調印式では、矢田市長が「友好親善協定を機に、これからの交流が盛んになれば」とあいさつ。李会長は「済州島は宝石のような島。交流を神戸が先導してくれることを望んでいます」と話した。


ことの始まりは3年程前仕事でソウルに行った時、元サムスングループの日本代表理事の李さんご夫妻と食事をさせていただいた時の会話から始まりでした。

「女性の立てヒザは正式な座り方。チマチョゴリが美しく見えるでしょう。」「韓国ではテーブル中央に置いてある大きなスープの器から各自直接自分のスプーンで飲んでいいのよ。」「へぇ~そうなんだ・・・。知らなかった。」マナーの違いを教えていただき理解することから親しみが深まったのです。その時、李さんが阪神大震災の時、2日目にサムスンの社員150名と共に神戸に訪れ3ヶ月ボランティアをしてくださったことも分かりました。友好は個人から始まり、やがて国を越えた友情に。テレビドラマを通じて親しみのある済州島(チェジュ)と神戸、これからの交流が楽しみです。ちなみに済州島(チェジュ)の水のおいしさは格別ですよ。