白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

西宮阪急「食のミニセミナー」

六甲バター株式会社 塚本哲夫社長をお招きして

2010/6/11 

155nishi-garden今回は六甲バター株式会社の塚本哲夫社長をゲストにお迎えしました。QBBブランドでお馴染みのプロセスチーズのパイオニアです。主力のベビーチーズは現在8種類。今日の試食はベビーチーズをスズキにはさんだオーブンフライです。「六甲バターという会社名ですがチーズが有名ですね。」と白井。「かつて『おいしいマーガリン六甲バター』という商品があり、そこから会社名をとったんです。チーズを主に作っていますがバターは作ったことはないんですよ。」と塚本社長。「QBBといえばプロセスチーズですよね。ナチュラルチーズとの違いはなんですか?」「プロセスチーズはナチュラルチーズを原料にして加工したチーズのことです。ナチュラルチーズは熟成が進んでいくため日持ちがしませんが、プロセスチーズは長期保存ができるので扱いやすいんです。」塚本社長が続けます「便利で、手ごろな価格のチーズを作ろうといろいろ考え、スティックチーズやスライスチーズの開発を手がけました」。学校給食でのチーズのシェアはなんと70%だそう。私たちの食卓にチーズを浸透させた功績の大きさを感じます。「”食”の関係で会議をご一緒したとき、進行が煮詰まると塚本社長さんの一言でふっと空気が変わるんです。すごいなと思います。いつもきさくで楽しい方なんです」とお人柄を紹介する白井。「私も会社も『健康で明るく楽しい』を大切にしています。外国も見てきましたが、品質ではどの国にも負けないと思っています。世界一のプロセスチーズメーカーが目標なんです。」と塚本社長。最後に次世代に向けて一言を求められ「これからも一生懸命することしかないですわなぁ」と笑いながら「もっと健康で明るく楽しく・・・かな。これは変わりません。」と締めくくられました。気さくで朗らかな口調で和やかに楽しく語っていただきました。

柳生の庄 取締役・調理長 柴山崇志さんをお招きして

2010/5/28 

152nishi-garden今回は一生に一度は泊まりたい宿として人気の修善寺「柳生の庄」。2010年のお中元に宿に伝わる下焼をせずに柔らかく仕上げる鮎の姿煮やオリジナルの織部焼に入ったわさび味噌や揚げじゃこなどを詰めて出していただいています。「普通は泊まった方にしか手に入らないんですよね・・・」柳生の庄が外部に出品されるのは初めてのこと「・・・織部の器も素敵です。私は早速予約をしました」と白井。武士のようにロングヘアを後ろで一本に束ねた柴山さん「居合術をやっています。真剣を使う剣術です。危ないので殺陣のように相手はいませんが、仮想の敵をイメージして動きます。」すっとした達人の風情に会場も納得です。
「堀文子さんの描かれた玄関の”すずめのお宿”の大きな絵はすばらしいですね」と白井。足を進めると、○○はこちら、○○しないでください、といった旅館に通常ある指示を示すものは一切なく自然体・・・。無の静けさに浸ります。すばらしい料理も奇をてらわず、仲居さんも上質の色合いのやさしい着物を身につけられ、気持ちよく働いておられます。あこがれの柳生の庄がすーっと体に浸みていきます。「オーナーさん御夫妻と柴山さんの会話もさりげなく温かい・・・それがお宿全体の空気になっているような気がしました。」と高級なのに気負わないその雰囲気を伝えます。柳生の庄は全て趣が異なる15部屋。「旅館には早い時間から入っていただいて、温泉ももちろんですが、宿でのんびりしていただきたいですね。 続きを読む…

佐々木農園 佐々木敏明社長をお招きして

2010/5/14 

149nishi-garden今回はナチュラルセラーでも人気の「あの日の梅干し」を作られている和歌山みなべ町の佐々木農園代表佐々木敏明さんをお招きしてお話を伺いました。
「佐々木さんのところの梅の木は木の中心の枝が払われて、全部の実にまんべんなくお日様の光が届くようになっておられましたね。」と白井。「ウチは木で完熟させますから。梅本来の成分は熟してこそ整います。青梅はその途中の状態で味も栄養も完熟には及ばないんです。」と語る佐々木さん。完熟梅は痛みが速く、収穫した日に洗って漬けこんでしまわないといけないため、繁忙期は大変な作業に。「15%~18%の塩でつけると、一晩で水が上がってきます。コツは重石をしてからは触らないこと。土用の天日干しも味を決める大切な作業です」。一般には保存や効率が優先され、一旦濃い塩分で漬けたものを、加工時に必要な分だけ水で戻して塩分を調節するのが当たり前になった梅干し。佐々木さんは「梅の香りと栄養をできるだけ残すことを大切にしたい」と昔ながらの作り方を守っておられます。添加物を一切使わず、手間を惜しまず、梅作りから工程のひとつひとつを丁寧に積み重ねて作られる「あの日の梅干し」。今回は試食として白いご飯、おかか梅と共に客席へ。
「今回、梅を使ったデザートを作られたんですよね」白井が紹介したのは阪急の青いギフトカタログでも紹介されている「南高梅のジュレ」。誕生のきっかけはお母様が詠まれた「梅の香に浸かりて、梅の香にうとし」という俳句だったとか。「梅農園の三代目として梅のことは何でも分かっているつもりでした。梅は塩で漬けるものと・・・そんな思い込みを母の俳句が気づかせてくれたんです。」と振り返る佐々木さん。 続きを読む…