白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

白井のエッセイ

NO.26 スローライフウィーク神戸

普段の生活習慣をちょっと変えることで暮らし方が変わる。
毎日クセになっている忙しい生き方を変えてみるとゆっくりゆったり豊かに生きる楽しさが見えてくる。
NPO法人「スローライフジャパン」の提唱、ゆっくり ゆったり ゆたかに生きることを大切にしようとフルーツフラワーパークとこの地の周辺地域の大沢町の皆さん、そして神戸市の生涯学習教育機関のシルバーカレッジ グループ“わ”のメンバーが手をつなぎスローライフウィーク神戸が8日間に渡って開かれました。
 23日のシンポジュームに始まり、神戸ビーフについての知識を広め、カスピ海ヨーグルト 家森先生とのトークショーでは普段テレビでは話せないお話しを、90歳の現役デザイナーコシノアヤコ先生とのトークショーではお腹を抱えて笑いながら、その元気の素を知り、奥村彪生先生にはフルーツフラワーパークの開設当初のお話しや食にまつわるお話しを伺い、生バンドで聞くハワイアンやジャズには心底酔いました。
 又、男性の料理教室では妻が病にたおれてももう大丈夫と安心し、農業体験をしながら大沢の里を歩き、新そばを打ち、羽釜や竹でご飯を炊き、昔遊びやスロースポーツも好評でした。
ちょっとした満足感がストレスを取ることになり、ひと手間かけることが結果、安全な暮らしを手に入れることになるのではと提案しました。
最終日の私のおしゃべりには川上盾さんの歌も入ってそれぞれのグッドライフが始まりました。

平成15年12月3日


NO.27 NHK「4時です上方倶楽部」出演第1回目より

NHK大阪放送局の「4時です上方倶楽部」のお仕事が始まりました。
この時の私の役割は、よくお仕事をご一緒している京都大学名誉教授の家森幸男先生が各地で見つけられた長寿の食材と思われるものをテーマに添って簡単に料理をすることです。
 今回は抗酸化力の強いものと言うことで先日私が作ったのは大豆のサラダ、そしてかぼちゃの豆腐そぼろあんかけでした。
家森先生のお話の中に出てきた思い出の一品は中国の南西部、貴陽の人に高血圧や心筋梗塞が少なかったということが判明。
やはり大豆を多く食べていたということから、豆腐をゆがいて干した「豆腐干」というものを使ったお料理を神戸の南京街、昌苑のオーナーシェフ、黄棟和さんが作って下さいました。
実は私ここの中華料理が好きなんです。本当に丁寧な仕事で全部手作り。
おいしいですよ。
そしてこのお店を紹介して下さったのはお向かいのいつも行列が出来る豚マン屋さんのご主人、曹英生さんです。
南京街の理事長さんでもある彼ですがその豊かなやさしい人柄が神戸の顔でもある南京街を見守っておられるのです。
なんだかうれしいですね。

平成15年12月15日


NO.28 元サムスングループ日本代表理事、李吉鉉さん

元サムスングループ日本代表理事、季吉鉉(イギルヒョン)さんにはたくさんの事を教えて頂きました。
前にも「操の視点」でご案内させて頂きましたが、1月17日の講演会には立ち見の方も出る程たくさんの方たちが参加して下さいました。
季さんの日本の若者への熱いメッセージと、それに応える新しいエネルギーが感じられました。
 季さんが毎日欠かさず韓国で見ておられる朝6時のNHKニュース。
9年前も阪神淡路大震災をこのニュースで知り、お世話になった日本の一大事、と、いてもたってもいられなくなったそうです。
即座に社員に号令。サムソンの社員を100名、神戸に集結させたのは地震の2日後でした。
「彼らは韓国語、英語、日本語を話し、半導体を開発する韓国の頭脳たちでした。」韓国の、国の宝といわれる若者たちを連れてきてくださったのです。その時長田ではまだ火の手が上がり、食べ物も寝る所もない状態でした。
ご自身も神戸市庁舎の階段で寝泊りされ危険な状況の中活動を続けておられました。
「家内にもこの9年間、詳しくは話していませんでした。ボランティアをするのは人として当たり前の行為、人に話すような事ではありません。相手の痛みを知り、その痛みに手を差し伸べるのです。」と。
「福は神から与えられるもの、福を分け、福を植えるのです。運は実力。行いが作ってくれます。そして財は勤勉な努力です。」と、その季さんが言われます。
「日本人が心配です。日本が好きだから。昔の日本人のいい所をもう一度思い出して欲しい・・・。」
 今回神戸市から感謝状を贈られる事になり来日された季さんですが、飛行機代もホテル代も自分持ちならと譲られませんでした。
「たまたま去年の1月、白井さんがソウルに来て、私の話に『ありがたい。』と涙ぐんだ。彼女の話を聞いて神戸市長さんが感謝して下さると言う。私は誰かの役に立てばいいと思っていた。けれどここで私が話す事で、日韓の若者達に何か伝えられたら、それは喜びだ。」と。
あー、なんて偉い人なんだろう、心から頭が下がりました。

平成16年2月9日


NO.29 結婚式に行ってきました。

この春もまた結婚式のご案内が何通か届きました。
それにしても女性は結婚式が近づくとなんでこんなにきれいになるのでしょう。
私のクッキングスタジオのメンバーの中でも今年の春は3人の娘たちが嫁ぎます。
長い間、料理教室をしていると「あっ、誰か好きな人と出会った?」って聞きたくなるような一瞬があります。きれいになるのです。
本当にハッとするような美しさです。美人と呼ばれなれている人も、そうじゃない人もそれはみんな同じチャンス。不思議ですね。
誰かを愛し始めて愛を育んで結婚式の準備をする日々・・・。これは年齢に関係ありません。
若くして結婚する娘も、ゆっくり時間をかけて青春をうんと楽しんだあと結婚式に挑む人もみんなきれいになります。
結婚は人生の次のステップです。結婚式は始まりなのです。
ずーっとずーっときれいでいて欲しい・・・。彼女たちが心豊かであって欲しい。
なんて考えて、お色直し入場の拍手をしていたら、涙がつーっとこぼれました。

平成16年3月8日


NO.30 桜の花の下で・・

桜がきれいです。公園では花見の宴があちこちで盛りあがってまあ賑やかなこと。
お酒で顔が真っ赤になって叫んでいる人。すっかり具合が悪くなってしまった人・・・。現場はえらいことになっています。「乾杯!」と、始まった酒宴。
ウキウキした気持ちのまま、時間が流れ宴が終わったとしたら、今日の桜はきっとすてきに心に残るのにナ・・・。なんて心の中でつぶやきながら足早に通り過ぎたことでした。
 ところで、お酒のメーカーさんにお願いがあります。新入生や、新入社員にとって、ひょっとするとアルコールデビューになるかもしれない「お花見」です。
この機会をお酒を一生楽しく飲めるようにするために、メーカー主催のレクチャーパーティーをしていただけないでしょうか。お酒の飲み方、飲ませ方、酔い方、醒まし方。
いろんな知識を伝える講座です。
きれいに咲いた桜の花の下で、実際に飲みながら学んだ知恵は一生忘れないと思うのです。
私だって、高校を卒業する時に受けた化粧品会社のお姉さんに教わったお化粧の方法は、今でも忘れず心に残っていますもの。

平成16年4月1日