白井操クッキングスタジオ

料理研究家・白井操の神戸発レシピやエッセイがたっぷり!料理講習会のイベントや主な著書なども掲載中。男の料理や食育、シルバーカレッジ情報も発信中。

白井のエッセイ

NO.36 シルバーカレッジの皆さんと遠足に

シルバーカレッジの食文化のクラスの皆さんと遠足に行きました。まずはバスの中から楽しいムード作りスタート。というわけでいきなり、・・・・しりとりゲームがはじまりました。それも食べ物に限ること。しかも出来るだけ素材だけでなく料理にして!なんて・・・。さぁ大変です。え~っえ~っとエビチリ→リンゴのパイ→いかのゲソ焼き、という具合です。皆さんさすが食文化の学生さん。いい調子です。それにしても肝吸いとか肝焼きの多かったこと。キ・・・もっとあるのにナ。
 はじめの行き先はキリンビールの神戸工場。私がキリン関西のHPでキリンビールの若手男性社員君に料理の手ほどきをしているページを担当しているご縁もあって、ビールの勉強会となりました。といってもみんなの目的はおいしい出来立てのビールを味わいたいの一念・・・。
でも私がなにより伝えたかったのはキリン関西の広報は部長をはじめ全員女性であること。まずはその方たちの人柄に触れて頂きたかったのです。料理人もお客さんの顔が見えたら作るエネルギーが変わります。お客さんもきっと料理を食べながら料理人の顔が浮かぶことでしょう。人の顔が分かるって大事です。
神戸支店の男性みなさんもありがとうございました。皆大満足!ビールの後は、淡路の奇跡の星の植物館。カフェで食べる淡路の地の魚はおいしい!でした。ここでも植物館のスタッフの笑顔に感謝。
 大忙しの遠足でしたが、シルバーカレッジの食文化2年生の遊び上手にはびっくり!みなさんのいい笑顔に私も大満足!楽しい1日でした。
お世話になった皆様ありがとうございました。

平成16年9月13日


NO.37 NHK「4時です上方倶楽部」9月30日放送より

NHKの9月30日生放送をした番組、「4時です上方倶楽部」~40代から要注意 脳こうそくを防ぐ生活習慣と食生活~ で作った料理が好評で放送中から次の日もレシピの問い合わせをいただいたようです。うれしい、うれしい・・・。
 ちなみにどんな料理かと言うと、人参とカシューナッツのご飯、鯛の昆布締めのサラダ、あったまり豆腐など。
料理を作るときのポイントとしては、塩分の摂り過ぎ注意、カロリー低めに、油の採り過ぎに注意、野菜や大豆製品・海藻などバランスよく摂ろう、霜降り肉より魚をなどなど、色々あるのですが、塩の使い方や薬味の使い方の提案をしたつもりです。
炊き込みご飯は案外塩分を摂り過ぎになるのですが、今回、もし家庭に高血圧の方がおられた場合、思い切って鍋の中に塩を入れないで、後から各自で塩をふりかけて食べようと提案してみました。そりゃあ始めから入れたほうが美味しいのですが、後から各個人が意識をしてふりかけると塩の量は自分で確認できるし、塩も強く感じられるからです。
人参は少量の油で炒めベーターカロチンの吸収もよりアップに。そして無塩のカシュ―ナッツを入れることで悪玉コレステロールを体外に出してくれるという訳です。栗もいいけどカシューナッツご飯、甘くてやわらかくておいしいですよ。是非お試しを。
各自パエリャのようにレモンやライムをかけて召し上がっていただきます。
他のレシピの詳しいことは、私のホームページのこちらをご覧下さい。
番組の中では時間がなくてレシピを出せなかった鯛の昆布締めで残った昆布のハーブ煮。佃煮じゃない食べ方など、是非お試し下さい。
本当は一番作っていただきたいのは甘辛こってり味のお好きなおじさん達ご本人なのですが・・・。
ちなみに次のこの番組の出演予定は10月28日です。

平成16年10月5日


NO.38 韓国で伝統料理を教わりました。

韓国 済州道。近頃、日本の若い人たちにも人気のチェジュ島です。自然を残したリゾート地として売り出し中の島です。
この地の大学の先生と食文化を交換する素敵な機会が与えられました。チャンスを作ってくださったのは済州道観光協会の会長 リ李 ギルヒョン吉鉉さんと奥さまのユン英ラン蘭さん。
今回は協会部長のキム金 チャン昌ヨ孝さんの計らいで済州産業情報大学の教授、コウ チョンスンさんの自宅に招いていただき伝統的な韓国の料理とあわびなど高級素材を使った、ポッサムキムチの作り方、そして伝統的なお茶のもてなし方を教えていただきました。
テーブルの上には乗りきれない韓国の料理で一杯です。折りしも、季節的に今、韓国はキムチ漬けのまっ最中。店頭には日本の白菜の価格の1/10くらいの値段のものまであって、山のように積まれています。
 飛行機で2時間程のお隣の国なのに余りに知らないことが多く、でも一歩中に入ると日本とそっくりな部分があって驚きます。
 言葉の伝わらないもどかしさに、残念な場面が多々あり、ハングル講座を習わないと、と思ったことでした。だしは何でとるの?この甘味は?又、栗やさつま芋を生で食べることに驚いたり、野菜の種類の多さに驚いたり、コウ先生からはすごいエネルギーとあたたかいもてなしの心が十分に伝わってきました。
今、日本は健康ブーム。韓国の年配の方が普通に召し上がっているものはどれもなんと健康的なこと。辛いものばかりではない、おだやかな上品な自然な旨味のものでした。
食事が終ると別室でこれ又日本の作法とよく似た、でも少し違うお茶のお点前でもてなしていただきました。ひたすら感謝感謝のひとときでした。
 来年は日韓交流40周年だそうです。食を通じて会わせていただいた今回の企画は、コウ先生の所に通う食文化を研究するメンバーの方たちと私の所の料理教室の生徒さんたちにとっても、素晴らしいチャンスでした。
神戸には毎年韓国からの修学旅行生もたくさん来ておられるとか。食からだったら伝えたいことがとても分かりやすく早いですね。私たちが受けた感動を韓国の方にもさせていただきたいです。

平成16年12月10日


NO.39 この秋冬の特別企画は芋煮会にお菓子教室・・・

私の主宰する料理教室では年に1~2回、ゲストの講師を迎えて特別講座を企画しています。
去年の秋は本物の芋煮会を楽しもうと、山形から食材や薪まで取り寄せ、講師の先生も招いて素敵なガーデンパーティーをしました。
力仕事や鍋番を引き受けてくれた友人もいて、うれしい会になりました。
 さて今年の初めは念願のお菓子の教室。
私には出来ないお菓子作りを教室のメンバーに学ばせてあげたくて迎えたゲスト講師は、近所に住む友人、上田悦ちゃん。
ホームページでその活躍ぶりはご覧下さい。 )
本も次々と書き、ティータイムというお店を岡本と六甲に2つも開いています。
当日、教室のみんなのうれしそうな顔は私には何よりの喜びでした。
教えていただいたのは「そばのブッセ」と「ガトーショコラ」。
なんと贅沢なひと時。甘い香りが部屋中に広がります。
先生の若い頃の苦労話しや子供の頃の様子なども話して下さり、若い人たちには心のおやつタイムにもなりました。

平成17年2月1日


NO.40 人生のセカンドステージはアクティブに

明日(2月28日)のトークショー「人生のセカンドステージはアクティブに」(サンケイリビング新聞社 主催、兼北 協賛)のお話の準備をしている日曜日の午後です。外はどんより重たい雲がかぶさっています。明日はあたたかい日差しがあるといいな・・・。なんて思いながらペンを走らせています。
 最近私の方へ、「心豊かな人生の午後を語って下さい・・・。」とか、「男性の料理教室の様子について。」というようなタイトルの企画や講演会の依頼が多くなりました。団塊の世代がドーッと定年を迎える日が近づいたからでしょうか。
 今回もサンケイリビングの担当の方からのお電話でずいぶん早いリズムでお申し込みがあり、用意していた部屋を大きくされたことを知りました。プロゴルファーの古市忠夫さんのお話もありますが、私の拙い話にと恐縮しつつ、そういう時代が今まさに来ているんだと感じています。
 私は今、56歳。主人が生きていたら、きっと人ごとでない、これからの二人の老後の準備にと、私もリビングに申し込んでいたかもしれないな・・・。なんて思いながら不思議な気持ちでこれを書いています。
 なんとか泣かずに元気に暮らせるようになるのに3年。それからの10年は夢中で仕事をして生きてきたように思います。今、つくづく感謝するのは支えてくれたまわりの人たちです。子供たち、兄弟、そしてたくさんの友達。文字や言葉にすると、とてもキザになってしまうのですが、私が元気に笑って過ごせるまでみんないろんなことに付き合ってくれました。主人の記念日にあらかじめお弁当を注文しておいて車を連ねドライブ途中のお墓参り。帰りに広場でボール遊びやゲームを。また、口に入れても音のしない、香りも強くなく周辺に迷惑をかけないおつまみとビールを買って映画を観る楽しみ方を教えてくれた友もいました。遠くまで出かけ、現地で魚を買っておろし、焼きたてを食べるバーベキュー大会。山の中で山菜を摘み、天ぷらをした後、陶芸家を訪ね土をひねらせてもらったこともありました。ある記念日には室内楽の生演奏を開き、友人が「忘れられない思い出」という絵本を読んでくれ、みんなで乾杯した夜もありました。
 いろんな場面で私を元気にしてくれた食卓と楽しいイベント。笑顔のエネルギーは案外身近なところにあって、アクティブに一歩動いたことで新たな力を与えられたように思います。

平成17年2月28